業務標準化や属人化解消を目指しAIデータコンバーターを導入、荷主ごとに異なる形式の紙帳票入力を自動化 MDロジス株式会社

会社名
MDロジス株式会社
業種
物流
従業員数
998名(2026年3月31日現在)
所在地
本社 東京都中野区四丁目10番1号
URL
https://www.mdlogis.co.jp/index.html
ハコベル導入による成果 :

名古屋事業所にて、荷主ごとに異なるフォーマットの紙媒体で受領する帳票入力の工数削減を目指し、AIデータコンバーターを導入決定。試算ベースで入力工数の大幅削減を見込む。

MDロジスは、エレクトロニクス領域に強みをもち半導体から防衛・人工衛星までを扱う総合ロジスティクス企業です。そのサービス品質が高く評価され、多様な荷主企業からの依頼に応えています。MDロジスがさらなる成長を目指す上では物流に関するデータを統合・一元管理し活用しやすい基盤を整えることが必要不可欠ですが、荷主企業や取り扱う案件が幅広い同社では受領する帳票のフォーマットや記載内容のパターンも多岐に渡ります。そのため、それらをシステムに転記入力する業務の属人化や作業負荷がデータ整備を進める上での障壁となっていました。今回、その課題の解決に向けて、ハコベルが新たに開発したAI-OCR「AIデータコンバーター」の導入を決定。推進された名古屋事業所の皆様にお話を伺いました。

FA運営課 課長 大塚 幸一様
FA運営課 FA運営一係 係長 松下 逸人様
FA運営課 FA運営一係 間瀬 翔真様

(以下、敬称略)

ハコベルを選んだ決め手
(1)手書き文字やハンコ、ドットプリンタでの印字帳票も読み取れる精度の高さ
(2)カレンダー形式など独自ルールを持った帳票も扱える柔軟性
(3)CSV出力で「ハコベル配車管理」をはじめとしたシステム連携ができる点



業務DXに残された課題、「紙帳票」の手入力


——名古屋事業所の業務内容と、今回のシステム導入前の課題を教えてください。

大塚:当社は3PLとしてお客様の物流機能をご支援しています。中でも名古屋事業所は電機機械メーカーの工場敷地内に位置し、同工場における3PL機能を担っています。以前より業務効率化には関心を持っており、まずは配車業務の効率化を目的として「ハコベル配車管理」を2025年に導入しました。

松下:以前はExcel中心の情報管理でしたから、それに比べれば配車依頼以降の業務をデジタル化できたことでずいぶん効率化されました。しかし、配車業務より手前の発注情報や輸送の指示情報については、荷主様から、紙帳票や複数の独自フォーマット帳票、カレンダー形式の予定表など、アナログな状態でいただくのが実情でした。本来はデータでいただけるのが理想ですが、荷主様と当社双方のシステムが複雑で、データ連携を進めたくてもなかなか一筋縄ではいかず、紙媒体での受領を継続せざるを得ない状況が続いていました。

FA運営課 FA運営一係 係長 松下 逸人様



——入力業務の負荷について、具体的に教えてください。

間瀬:輸送依頼書1枚の入力に5〜10分ほどかかっていました。情報の量や書き振りが荷主様によってまちまちというのが一番のボトルネックですね。例えば車種の表記は荷主様の担当者ごとに「4t車」「4トン」など揺れがあり、専門的な物流用語で統一されているわけでもありません。他にも、長年のお付き合いで暗黙知となって省略されている情報を読み解いて補うこともあります。そのため新人メンバーの習熟には時間がかかり、記載されている情報から依頼内容を正しく理解できるようになるまでには半年ほどを要していました。急ぎの依頼が入ると、どうしても経験豊富な担当者に業務が集中してしまいます。

過去のOCR検討——一度は「人手でやるしかない」と諦めた


——これまでにOCRなどの検討や導入を試みたことはありましたか。

松下:この1~2年ほど、色々な検討を重ねました。本社では他のOCRサービスを検討した実績があり、名古屋事業所でも小型スキャナーによる読み取りを試しましたが、精度と運用の手間の面から早期に断念しています。展示会で情報を集めるなどもしたのですが、いずれも実運用に耐えるレベルには至りませんでした。

大塚:そもそも文字を正確に読み取れず文字化けすることが多かったですね。感熱紙やドットプリンタ帳票など印刷方式によっても精度にばらつきがありました。感熱紙の読み取りが特にネックだったのですが、感熱紙の帳票のボリュームが一番多いので、「これではダメだね」と断念したことも。また、帳票の種類も大まかに分けても10数種類以上と多く、読み取り項目の設定作業自体が煩雑なのもハードルでした。

そうやって苦労して読み取ったとしても、結局「文字データ」に変換されるだけなので、そこから「ハコベル配車管理」へ入力するためにデータを並び替える手間が発生してしまい、結局は人手に頼らざるを得ないという結論になりました。

左:FA運営課 課長 大塚 幸一様

右:FA運営課 FA運営一係 間瀬 翔真様


導入の決め手——読み取りだけでなく、車両選定まで自動化


——そんななかで今回、AIデータコンバーターの導入を決めた理由を教えてください。

松下:ハコベルの営業さんから、運送マッチング事業の社内業務用にAI OCRを開発しているというお話を伺って興味を持ったんです。ただ、正直なところ、最初は懐疑的に受け止めていました。先ほどお話しした通り、過去に何度も断念していましたので「ハコベルもどこまでできるのか・・・」と疑っていたんです。

ただ、ハコベルの開発担当者と一緒に、どう読み取ってほしいかを具体的に詰めていく中で、これはいけるのではないかと考えが変わっていきました。手書きやハンコにも対応する読み取り精度の高さ、そして読み取った情報をそのままハコベルの配車管理に取り込める点が大きかったです。

間瀬:私たちが扱っている帳票は、例えばドットプリンタ帳票に車型情報をハンコで押して追記していたり、表形式でもないメール本文のようなテキストに後から確認した住所を手書きで追記していたりと、1枚の帳票にも色々な記載方法で情報が載っています。また、カレンダー形式など「文字情報」としてではなく「形」が意味をもつ帳票もあるのですが、この入力がかなり大変だったんです。こうした帳票もハコベルのAIデータコンバーターなら読み取れそうだとわかった時には、相当楽になるのだろうなと思いました。

——費用対効果についてはどのように評価していますか。

松下:単に文字を読み取るだけでなく、帳票に記載のない情報も補って車両選定まで自動化できる点を評価しています。ベテランの配車担当が持つ経験やノウハウをAIのマスタに取り込むことで、業務の標準化や属人化の解消にもつながりそうだと感じました。
入力工数は大幅に減らせると試算しています。将来的には当該業務のチームを今より少ない人員体制とすることで、生産性をより高められるのではないかと期待しています。



今後の展望——取引先拡大を今より効率的な体制で実現したい


——改めて、今後活用いただくにあたっての期待をお聞かせください。

間瀬:入力作業を担ってきた現場の負担軽減が一番の期待です。これまで、スケジュールの入力ミスでトラック手配が漏れるというヒューマンエラーが起きてきました。変則的な日付の帳票も多いのでミスをゼロにするのが難しかったのですが、AIデータコンバーターを導入することで、最初の読み込みを委ねることができれば、人間はチェックに集中できるので楽になるのではと期待しています。

松下:物流業界では古い工場や小規模な運送会社を中心に紙媒体でのやり取りがまだ残っていて、これまでは荷主様が増えれば帳票のフォーマットも増えるという構造でした。AIデータコンバーターの活用で多様な荷主フォーマットに対応できる体制を整えることは、事業の拡大にもつながると考えています。荷主様が増えても作業負担が増えない、むしろ減らしていけるような運用体制を実現したいですね。

大塚:AIなので、学習ができるという性質にも期待しています。まずは現在の帳票の入力を自動化するのが一番ですが、より複雑な内容であったり、冒頭にお話ししたような「担当者のスキルによる補完」があったりしますので、活用する中でどんどん精度が上がっていけば嬉しいですね。

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