「ハコベルコネクトで属人化していた“輸配送ノウハウの標準化”を実現 データの可視化でホワイト物流の取り組みも加速」NTTロジスコ様

会社名
NTTロジスコ
業種
物流
従業員数
2000人以上
所在地
東京都大田区平和島一丁目1番2号
ハコベル導入による成果 :

属人化された輸配送ノウハウを標準化。アナログな配車管理業務を効率化し、1日平均3時間の稼働削減に。

NTTロジスコ様は、全国に29拠点、19万坪の倉庫を構えるNTTグループ唯一の物流会社です。NTTグループ企業の荷物の輸配送に限らず、「ICT(検査・キッティング・再生利活用)」「医療機器(検査・洗浄・共同配送)」「エンターテイメント・美容・健康(EC・多店舗・オムニチャネル)」の3つの柱を持つ、3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)事業を主とされています。2020年6月より「ハコベル」が提供する輸配送管理システム「ハコベルコネクト」を導入され、3拠点で運用を開始し、12月から全国24の拠点への展開が始まりました。複数拠点での展開に至るまでに、どのような効果を感じ決め手となったのか、お話をうかがいました。

「ハコベル」を選んでよかった点
1. 配車業務の見える化を実現し、作業ステータスの共有と手配漏れの防止に繋がった
2. 輸配送会社のタイムリーな車両情報の入力により、お客様への迅速な車両情報の報告が可能になった
3. 運送会社側もメール・電話・FAXの回数が減り、業務工数の削減に繋がった
4. 情報のデータ化による請求事務処理時間の削減に繋がった

─ 「ハコベルコネクト」の導入を検討されるきっかけについて教えてください。また、その際にどんな課題を抱えていらしたのでしょうか?


ICT事業本部 第一ICTサービス部 主査 光永和樹 様 ICT企業様の輸配送に関する企画・設計業務を中心に、社内の輸配送業務のデジタル化の推進をご担当

光永 : 当社では全国の物流センターで車両手配を行う際、配車担当者が過去の経験をもとに配車の振り分けを考えていました。それから輸配送会社へ電話やメールで車両の手配を依頼し、配送指示書を作成、メール送付というプロセスを踏んでおり、その後の配送状況は電話で確認するというオペレーションだったんです。

個々の配車依頼に対する配送料金は、月初に輸配送会社からの請求書が届いてようやく確認・承認となる、という状況でした。その際、概ね紙の請求書が届くのみで、管理するためのデータ化する作業は当社で1件1件打ち込みをしなければなりません。請求のデータ化含めて月末月初に請求処理が集中してしまう、という問題が全国の物流センターで起きていたんです。

平和島物流センター

この(1)属人化されている輸配送ノウハウ(2)アナログな配車管理という2点を改善するために、どのような手法を用いれば平準化した施策を展開できるのかと検討していたところ、出会ったのが「ハコベル」でした。まずは軽貨物向けの配送マッチングサービス「ハコベルカーゴ」による緊急配送の車両手配から利用を始め、マッチング率等の検証を行いました。その後本来の課題を解決するために、「ハコベルコネクト」による課題解決の道筋を立てていったという流れです。

─ 自社でもシステムの開発に力を入れてこられた中で、課題解決に向けて配車システムを構築されなかった理由も教えていただけますか?


光永 : 輸配送会社さんはどこも同じ悩みを抱えているのではないかと思うのですが、配車業務って、標準化させることが非常に難しいのです。例えば、小さい荷物を送ってほしいという依頼があった時、1つなら概ね宅配便で送ればいい、と誰でも判断ができるのですが、100個だったら路線便がいいのかチャーター便がいいのか、何が安いかってすぐに判断がつかないですよね? でも、配車担当者は、経験から宅配便・路線便よりもチャーター便のほうが安いからチャーターで運ぼう、という判断を当たり前にやっています。ただ、そこには一律のマニュアルがあるわけではないので、人によってまったく違う判断になる可能性がある─ つまり、多数の可能性があり得るのです。会社ごとに“その人がいないとできない”非常に属人化された仕事になってしまっているので、デジタル化が進まなかったんです。

サービス本部 サービス開発部 主査 小板橋典通 様 システム開発及びICTや新技術を活用した仕組みの導入支援をご担当

小板橋 : システム開発側の立場からお伝えすると、自社の手段としてデジタル化を進めた場合、どうしても1:Nになるシステムを作らないといけないんですよね。当社があって、輸配送会社さんが何百社といる。そもそもシステムを作ることが容易ではないですし、我々1社で作っても、各社とも対当社用にそのシステムを使わないといけないなど、メリットがあまりないんです。そういった意味で、ラクスルさんにこのような、個社に閉じていないオープンな仕組みを作っていただけたのは、デジタル化に踏み切るとてもいいきっかけだったと思います。

─ さまざまな配車システムがある中で、『ハコベルコネクト』を選んでいただいた決め手はなんだったのでしょうか?


光永 : 「これを導入しよう」という原動力になったのが、システムを見た時の直感ですね。程良いアナログさが残っていて、実際に現場で使う人たちの視点に立った時に、これなら無理なく導入できると感じたことが大きかったと思います。

他社類似サービスとも比較した上で、当社が実現したいことが的確にできるのは「ハコベルコネクト」だけでした。コスト面での安心感だけではなく、システムの裏には業界に通じている経験豊富な配車マンが複数いて、困った時は実際に相談ができるという点や、データ化したものが簡単に抽出できるという点も重要なポイントになりました。他社サービスには意外とそういった機能がないシステムも多かったんですよ」

小板橋 : もう一つ、当社で契約する輸配送会社の管理も含めて同じ「ハコベルコネクト」というプラットフォームで運用できる点も大きなポイントだったと思います。システムを導入する立場としても、利用するユーザーの観点でも、チャーター便を管理するシステムが一つで済むことが理想です。これならば「インフラに落とし込めるな」と確信できたことも決め手になったと思います

─ 実際に導入されて、どのような変化がありましたか? また、導入してよかった点があれば、教えてください。


光永 : 「現在メインで導入しているICT企業様の物流では、7社の輸配送会社様に参画していただいています。依頼から承認までの作業工数を計測すると、当社としては、1日平均約3時間の稼働削減につながりました。輸配送会社さんも、1社あたり1日平均約1時間の稼働削減ができていると伺っています。もちろん、1日1〜3時間の削減では、配車担当者を1名減らせるわけではありません。その空いた時間に当社で取り入れているTPS(トヨタ生産)方式の『多能工化』を進め、担当業務以外の業務を行なったり、知識を習得する時間に当てています。例えば小板橋の仕事はシステムの構築ですが、3時間空いた時間を輸配送業務の習得に回せれば、急な病欠が出た時に対応できるかもしれないですし、どの社員も他職種の業務が行える体制が作れていれば、荷物を預けてくださっているお客様にも安定してサービスを提供することができます。

そのほかにも、ドライバーアプリの導入によって配車業務の見える化ができたことで、作業ステータスの共有と手配漏れの防止にもつながっています。これまで、輸配送会社さんは配送指示書の紙を輸配送会社の配車担当者からドライバーさんに手渡して指示をしていました。東京への配送が早く終わったので、千葉に寄って荷物を受け取って帰ってきてほしい、ということがあっても、一度自分の会社に戻らないと次の動きに移れなかったんです。それが、ドライバーアプリ上で配送指示を出したり、現在の進行状況の確認ができたりするので、配車計画にも無駄がなくなっています。これは、当社が表明しているホワイト物流推進運動の取組項目である「物流の改善提案と協力」「物流システムや資機材の標準化」「デジタル化推進」の3項目を推進するのに非常に効果的でした。また、アプリ上でデータ管理ができることによって、当社がお客様から『今どこに荷物があるか、誰が受け取ってくれたのか』といった問い合わせを受けた際にも、すぐに共有できるようになりました」

─ 輸配送会社である企業様の反応はいかがでしたでしょうか?


光永 : 基本的には新しいものに抵抗がある方が多い業界だったので、最初は面倒くさいものを導入したな、という反応もあったのですが、いざ使ってみると「こんなことまでできるのか!」と、自分たちにとっての便利さも見えてきて、皆さん積極的に使いこなしていただいています。アプリケーション導入の研修もオンラインで実施したのですが、それもまた面白がって参加してくださっていた印象です。

─ 現在、全国の24拠点への導入が決まりましたが、今後の全国展開によって、どのような効果・成果を期待されていますか?




光永 : まずは、すでに導入した3拠点で得られた効果を全国の拠点で実現できればと考えています。同時に、ドライバー不足で稼働を分散していかないといけないので、パートナーである輸配送会社さんにとっても業務の効率化を図ることでよりよい作業環境を作っていきたいですね。

また、全国に導入して情報を一元管理することで、そこから見えてくるデータを元に、何か新しい取り組みもできるのではないかと期待しています。

小板橋 : 現在、当社は取引先各社に対してもデジタル化を勧めています。目的のひとつは、社内の業務を効率化することですが、もうひとつ、あらゆるデータの可視化を目指していきたい、それを強みにしていきたいという思いがあります。その中で唯一、輸配送系はデジタル化が難しかったため、「ハコベルコネクト」というこの新たな仕組みの導入で全拠点のデジタル化を実現させ、そのプロセスを記録として残すことで、お客様との対話のベースにしていきたいと考えています。

物流業界では多重下請け構造が根強く残っていますが、当社は物流会社として、それを望んでいません。取引や業務の仕組みから変えていくことで、より良いかたちでお互いに利益を得ましょう、というお話を常々させていただいているんです。その中で、共通のデータ基盤が見えるようになれば、提案の価値も高まっていくのではないかと考えています。
今後もハコベルと一緒に、これまでデジタル化が及ばなかった人間臭い部分─ 最初にお話した属人化していた配車ノウハウの標準化を目指して、一緒に新たなシステムを構築していけたらと考えています。