「個社の枠を超えて、業界全体で物流課題の解決に取り組んでいきたいーーその第一歩として、業務のデジタル化は必須だった」 江崎グリコ株式会社

会社名
江崎グリコ株式会社
業種
メーカー
従業員数
連結/5,359人単体/1,411人(2022年12月末現在)
所在地
大阪府大阪市西淀川区歌島4丁目6番5号
ハコベル導入による成果 :

システム導入の目的は、情報の共有・可視化による問い合わせ件数の減少。導入前は月30件程度の問い合わせに対応していたのが、導入直後からほぼゼロになった。今後は、データやデジタル技術を活用してドライバーの労働時間管理や待機時間削減など2024年問題への取り組みを強化したい。

 大正11年に創業し、100年以上の歴史を持つ江崎グリコ株式会社。「栄養菓子グリコ」から始まり、ポッキーやビスコなどのお菓子から乳製品、乳幼児食、スポーツサプリメントまで幅広い製品を展開し、創業以来変わらず人々に「おいしさと健康」を提供し続けています。そんな中、取扱製品がほかの業界に比べて品質管理の基準が厳しく、今後起こると言われている物流クライシスに大きな不安を抱えていたそうです。不安を解消する解決策として導入したのが「ハコベル配車管理」。導入して1ヶ月しか経っていないにも関わらず、配車業務のデジタル化に大きく貢献しています。今回は「ハコベル配車管理」の導入を決めたSCM本部 ロジスティクス部 赤澤脩豪さん、國分雅美さん、坂本信斗さんに導入後の変化についてお聞きしました。


ハコベルを選んだ理由
1 ) 2024年問題などに代表される物流課題を解決し、配送実態をデータ化するための基盤となると考えた
2 ) 電話やメールなど、人が介在する各種対応をデジタル化して情報を一元化するために最適なシステムであった
3 ) 業務全体のデジタル化を推進するために必要な機能をそなえ、導入をスムーズに進めるためのサポート体制も整っていた



――貴社は、2023年4月に「ハコベル配車管理」を導入しました。導入前はどのような課題を抱えていたのでしょうか?



赤澤 脩豪(以下、赤澤):物流部門をマネジメントする立場としてここ数年、チーム内で細々とした電話やメールのやり取りが多いことが気になっていました。例えば、工場から受けた車両に関する問い合わせの内容を物流事業者に確認して工場に回答する、運送会社に車両手配の可否を聞くなど、取次的な業務などです。一つの車両手配に対して複数回のやりとりが生じているため、メンバーが電話やメールの対応に多大な時間を費やしていたのです。これでは、本来の業務になかなか集中できません。何か解決できるシステムがないかと思っていたところ、「ハコベル配車管理」を提案されました。



SCM本部 ロジスティクス部 赤澤脩豪さん


國分 雅美(以下、國分):このシステムの良い点はリアルタイムでデータを更新できることです。日々目まぐるしく車両手配して、製品を発送している当社のニーズに合うと感じました。


――SDGsや物流クライシスなどの社会課題への対応も念頭に置いて、システム導入を決めたそうですね。



坂本 信斗(以下、坂本):業界共通の課題だと思いますが、2024年問題に向き合ったときにパートナー会社様と従来通りのやり方を継続していては、お互いにオペレーションが立ち行かなくなる可能性があります。今のうちからハコベル配車管理のようなサービスを導入して、パートナー会社とともに業務効率化を図り、2024年問題に対応していく必要があると考えました。


國分:当社は創業以来「事業を通じて社会に貢献する」ことを目指しています。自社の効率化を追求するだけでなく、社会課題を理解して解決する中で自社・パートナー企業を含めて業務改善していくことが使命です。今回の導入は、そうした考え方の中での取り組みと言えます。そのため契約を検討していたときから、導入によってパートナー企業にとっても良い状態を作れるのか、効率化につながるかのモニタリングや検証がしたいと相談させてもらいました。


――導入後、どのような変化がありましたか?



坂本:システム導入の一番の目的は、情報の共有・可視化による問い合わせ件数の減少でした。導入前は月30件程度の問い合わせに対応していたのが、導入直後からほぼゼロになったので、業務の負荷が削減されて期待通りの結果を得たと言えます。また、配車表や車番の管理もハコベルで一元化し、誰もが効率的に確認できるようになりました。そのおかげで、物流事業者や工場の担当者と同じ画面を見ながらやり取りできるようになり、入念な事前準備がなくてもタイムリーにコミュニケーションが取れています。



SCM本部 ロジスティクス部 坂本 信斗さん


また導入前は、社内・運送会社ともに不安を感じているメンバーが多かったのですが、いざ使ってみたら「こっちの方が良いね」とポジティブな反応を見せてくれています。むしろ、これまで物流会社ごとにやり方や対応がバラバラだったものが標準化されたので、業務標準化・効率化につながりました。  


――物流クライシスの話が出ましたが、食品業界が抱える物流に関する課題をどのように捉えていますか?



赤澤:物流課題を解決するために取り組みを推進していますが、やはり1社単独では限界があることを感じています。業界の枠を超えて横のつながりを作り、協力してスピード感を持って立ち向かっていかないと、物流クライシスは絶対に乗り切れないでしょう。そのために、このようなシステムの導入は欠かせません。


國分:この課題を乗り越えるためには、データやデジタル技術を活用してドライバーの労働時間管理や待機時間削減をする必要があると考えています。ドライバーの労働時間管理の厳格化による2024年問題や人口減少に起因するドライバー不足による物流クライシスが現実になったとき、当社製品のような品質管理が厳しいものを運送できる物流事業者は減ってしまうかもしれません。ドライバーの働きやすさや業務効率を意識することで、物流事業者に「グリコの荷物を運びたい」と言っていただけるようになりたいですね。



SCM本部 ロジスティクス部 國分 雅美さん


――今後、ハコベル配車管理に期待する機能や、共に取り組んでいきたいことがあったら教えてください。



坂本:他社と何らかの形でデータ共有ができたら良いですね。例えば当社が片道しか依頼していない車両の片道を、他社が依頼できるなど組み合わせた共同運行が実現できたら嬉しいです。


國分:他企業との連携で言うと、ハコベル配車管理の車両マッチングサービスを個社間でも使えると、リソースをうまく活用できそうですね。またデータについても共有化できると良いと思います。現在でも依頼した車両の積載率は確認できていますが、帰路に関しても効率よく荷物を詰めているかのデータは取得できません。そこも見られると、より効率の良い物流を実現できるのではないでしょうか。


赤澤:当社は今後、CO2排出量の見える化などデジタル化を進めていくので、そうした面でサポートをお願いしたいです。ハコベル配車管理の良さは当社のような事業会社や運送会社のデータが集まっていること。そのデータを活かして、さらなる物流リソース活用やドライバーの労働環境改善を実現できたら社会課題の解決につながると考えます。ぜひ、当社もその一端を担えればと思っています。

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