多くの人が関わっていた既存業務の工数を83%削減することができ、システム上に一元化された情報を即時共有できることから、各社とのやり取り、進捗確認等の管理が容易になった。
トラックおよびドライバー不足が懸念となる「2024年問題」への対応ができたことから、ブラックボックス化していたコストの見える化と取引先の拡大が実現した。
1937年の創業以来、モノを動かす“マテリアルハンドリング”に携わってきた株式会社ダイフク。さまざまな分野において、保管、搬送、仕分け・ピッキング、情報システムなど多様な要素を組み合わせ最適・最良のソリューションを提供しています。そんなダイフクは、迫る2024年問題に対するリスクヘッジについて考えていた際にハコベルのサービスを知り、導入を決めたそうです。「ハコベルを導入して得られたもので一番大きいのは“安心感”」と話すクリーンルーム事業部生産本部管理部出荷グループグループ長の東裕子さんと輸出手配チームの須藤裕一さんに、その理由をお聞きしました。
(ハコベルを選んだ理由)
(1)2024年問題の対応で、より広く国内輸送に関わる委託先を拡大したいと考えた
(2)配車情報をデジタル化して、情報の一元管理を進めたい
(3)属人化を解消し、コストの見える化を進めたい
—— 2024年4月にハコベルの「ハコベル配車管理」を導入いただきました。導入前はどのような課題を抱えていたのでしょうか?
東 裕子(以下、東):トラックの配車業務には多くの人が関わっていますが、既存の業務構造だとヒューマンエラーが多く、情報の一元管理もできていませんでした。FAXや電話、メールのやり取りに手間がかかっていて業務効率が悪く、また担当者に聞かないと配車状況などがわからない状態だったのです。コストの詳細な見える化もできておらず、さまざまな点において業務改善の必要があると認識していました。
東さんは「業務構造の見直しに加え、2024年問題で直面する課題への向き合い方を検討していた」と語る
また当時、トラックの配車を既存の取引先のみに頼りきりで、彼らがどういう業務に対して見積書を提示しているのかの根拠は先方が持つ資料のみ。言ってしまえば、その見積書は適正価格なのかの判断すら難しい状態でした。ちょうど2024年問題も差し迫り、これから直面するであろうトラックとドライバー不足のリスクにどう向き合うかを考えていた時にハコベルのサービスを知り、ぜひ導入して課題解決と今後の不安解消に挑みたいと考えました。
須藤 裕一(以下、須藤):自社開発した既存の物流システムが老朽化していて使いにくい上、社内にメンテナンスできる人がいなかったので、リプレイスしてデジタル化を推進したかったのもあります。
—— 現在ご利用いただいている「ハコベル配車管理」の利用状況についてお聞かせください。
須藤:日々の業務におけるトラックの配車依頼に使用しています。運送会社にハコベル上で必要な情報を入力していただき、月末には請求金額も算出しているので、コストの見える化を実現しました。既存システムでもコストは見えていましたが、いろいろな情報が同時に見えるようになったのでとてもわかりやすくなりました。
東:抱えていた課題は解決し、日々の業務において安心感が生まれました。先日、ハコベルの動きで困ったことがありましたが、ハコベルさんがすぐにサポートしてくれたおかげで業務が止まらず、大変助かりました。システムは当社仕様にカスタマイズしてくださったのでとても使いやすく、配車業務を担当しているスタッフも「慣れたらサクサク、スムーズに入力できる」「これまで入力していた項目が選択式になり、時間短縮できた」と話しています。英数字で構成される案件名も簡単にコピーできるので、入力ミスがなくなりました。
—— 導入によってどのような効果を得ましたか?
東:「ハコベル配車管理」を稼働し始めると同時に、既存業務の工数を83%削減できました。担当スタッフが1週間休んでも周囲がカバーできるくらいの工数になりましたし、誰でも同じデータを閲覧し進捗状況を把握できるので、引き継ぎが容易で非常に便利です。
けれど一番大きいのは、トラックの配車を既存の取引先のみに依存しない状況になり、今後のリスクが減ったという安心感を得られたこと。いまは既存の取引先を含め、新規参入の取引先にもお願いしており、業務の幅を広げやすくなりました。
あともう一つの利点は、ハコベルを通じて適正価格やトレンドがわかる点ですね。自分たちで情報収集しようとするとどうしても限界がありますが、ハコベルは国交省といった国の方針も加味して運用してくれていたり、他ユーザの声を反映させてサービス提供をしてくださりと、リスク管理の点でも非常に安心で有用です。
—— もともと抱えていた課題の解決以外に、ハコベルを導入して良かった点があったら教えてください。
須藤:配車に関する情報がハコベル上に一元化されているので、各社と個別にメールやFAXでやり取りするより管理しやすくなりました。
「タスク機能」や「カスタム項目」など、簡単で効率的手配につながる使いやすさを評価する須藤さん
特に重宝しているのが「タスク機能」です。双方から案件に対して「ここを変えてください」「ここが変わります」と入力して確認し合えるので、コミュニケーションエラーがなくなりました。
東:私たちの所属部署では海外への製品輸出を担っていて、いままでは配車と輸出手配の担当者を分けていたのですが、今後は船やトラックの手配を1人の担当者で完結できるのではないかと考えています。そうすると積み合わせを把握しやすくなるので、より効率的な輸出が実現しそうです。
実作業面では、ハコベルはクラウドでのデータ管理なので、テレワーク中や海外出張中でもWEBでシステムにつないで配車状況を確認しやすいのはとても便利だなと感じています。
—— 導入後、社内や関係者様からどのような声が上がっていますか?
須藤:以前のシステムではトラックの車番などの情報を私たちが入力していたのですが、ハコベルを使い始めてからは運送会社が入力するようになったので、最初は少し不満の声をいただきました。しかしいまは慣れてくださったようで、スムーズにご対応いただいています。その他、運送会社の利便性を上げるような追加開発もしていただいて、これには運送会社の方も大変喜ばれていました。
運送会社のなかには、説明会を実施していない会社もあるのですが、みなさん問題なくサクサク使ってくださっていて、問い合わせもありません。誰もが感覚的に使用できるシステムなんだなと実感しますね。
東:画面の入力スペースを埋めていくうちに、勝手に入力が終わっているような感覚ですよね。当社では主に担当スタッフが使用しているのですが、金額までコピーされるので「気を配る部分が減ってすごく楽になった」と聞いています。
須藤:カスタム項目で案件名や番号を入れられるようにしたのですが、そのなかで検索してコピペできるので、調べたり入力したりする手間が減りました。金額以外は訂正が簡単なのも良いですね。
——「ハコベル配車管理」をご導入いただいているユーザー様同士の交流会に参加なさったそうですね。
「ハコベル使用によるデータ蓄積を今後に活用したい。最終的にはCO2排出量の見える化も目指す」
東:導入する前に参加したのですが、物流以外の業界の方々と交流でき、大変興味深いお話を伺えました。ハコベルを深く使い込んでいる企業の方から話を伺ったり、トレンドなども聞けたりして楽しい情報交換の場でしたね。次の機会があったら、具体的にどんな使い方をしているのかなどより深いところを聞いて、自社での活用のヒントにしたいですね。
—— これから「ハコベル」と、ともに取り組んでいきたいことがあったら教えてください。
東:ハコベルを使うことで、いままでできていなかったデータの蓄積を実現したのは、当社にとって大きな進歩です。これまで経験で判断していたことが、データで判断できるようになります。毎月の支払額などを案件ごとに分析できるようになったので、今後はデータの活用方法を戦略的に考えていきたいと思います。
須藤:トラックの台数や手配場所などをダッシュボードのようにみられるようになると良いですね。最終的にCO2排出量を見える化できたら嬉しいです。経営戦略においてSDGsの観点は必須。いろいろな角度からアプローチしていると言いやすくなるのではと考えています。