「持続可能なロジスティクス体制の構築へ! 必要な情報を的確に把握できるハコベルコネクト」森永製菓株式会社

会社名
森永製菓株式会社
業種
食品製造
従業員数
1,453名
所在地
東京都港区芝5-33-1
ハコベル導入による成果 :

冷菓以外の菓子と食品の拠点間輸送に導入。属人的で見えなかった物流プロセスや課題の把握ができるようになり、管理者として戦略的なリスクマネジメントが可能に。

日本の西洋菓子づくりのパイオニアとして、120年以上の歴史を誇る森永製菓。菓子・食品・冷菓・健康という幅広い分野で商品を提供しています。2030ビジョンに「森永製菓グループは、2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。」と宣言するなど、培った信頼と技術をさらに進化させ多種多様な商品を世に届けようとチャレンジし続けています。そんな中、今、時間外労働の上限規制などに代表される「働き方改革関連法」の施行に伴う物流業界で問題が生じるとされている「2024年問題」があります。同社では、配送業務を委託先に任せていたことで、属人化していたが故に、問題が生じても問題が起きたプロセスの把握や、根本的な配送課題の原因に辿り着くことが難しく、一元的な管理ができずにいました。そこで、時代の変化に適応し、物流品質を維持した業務遂行を目指したプロジェクトを2021年から開始し、2022年5月にはハコベルコネクトを本格導入・展開していただきました。今回は検討から導入に至るまでを担当されてきた物流企画グループのマネジャーである長田綾子さんに物流業務の課題改善への効果や可能性をお聞きしました。

ハコベルを選んだ理由
(1)配車関連コストが以前の30%減になる
(2)必要な機能を選択でき、将来的な追加も容易にできる
(3)物流データの一元化・可視化が運送会社様のサービスレベルの向上になる


——長田様の在籍する物流企画グループについて教えてください。


長田 綾子(以下、長田):物流企画グループは、基本的に運送会社様との価格交渉や新規事業者の委託先の検討など、物流品質を保つために幅広く業務を行う物流戦略の中でも対外的なやりとりが多い部署です。当社にはエリアに強い運送会社様や古くからお付き合いのある運送会社様も多く、直接契約の事業者が40社以上あります。幹線輸送(輸送拠点にそのエリアの荷物を集め、大型トラックで別拠点まで輸送すること)がメインの運送会社様だけでも20社程あります。
輸送は、3PL(荷主に代わり物流業務をトータルに請負うこと)の方法もありますが、当社は運送会社様への業務依頼を円滑に行うため、3PLではなく各社への配車依頼などに関する業務のみを取りまとめていただける配車センターを設置していました。配車センターによる配車依頼は、契約当時から変わらない電話やFAXによるアナログな業務形態でした。そこで、より配送をスムーズに行いたいと配送業務におけるやりとりの一元化や配送状況や情報伝達の可視化ができる方法を探していました。

——ハコベルコネクトの導入は貴社にとってどのような課題解決につながると判断されたのでしょうか?管理側の導入以前の状況も教えてください。


長田:主に輸送配送の課題を解決できると思えたからです。ハコベルコネクトの導入以前は、配車センターで各工場から届く翌週の車の必要台数をまとめた計画を集約して、それぞれの運送会社様に情報伝達をしていました。2013年に採用した流れですが、伝達には紙とFAXと電話を使うという状態で、属人化してしまい前任者と後任者で対応の仕方が異なるといったことが発生していたんです。まさにブラックボックス化していました。
自社のSCM(サプライチェーンマネジメント:原材料の調達から消費者に販売するまでの一連のプロセス。サプライチェーンを統合的に最適化する管理手法)を見ていて、メールの頻度よりも電話やFAXのやりとりが非常に多く、紙でのやりとりも日常的に行われていたのがさまざまな課題を生んでいました。
当社内では、最初に出される1週間の配車依頼といった計画を確認できるものの、その後の車の増減、特に必要台数が増えた時にどのような増え方になっているか、どんな依頼がなされているのか、プロセスが正確に把握できていませんでした。配車センターからは、各運送会社様毎に全体台数のうち何%を割り当てるかの構成比は共有されますが、あくまでも数値のみ。「車が確保できません」といきなり連絡がくることもあり、経緯を含めた検証ができていなかったんです。社会の変化と共に、電話やFAXによる個人間の連絡形態から、業務に関わる人が誰でも状況把握しやすい連絡形態へと配車センターへの依頼の仕方ひとつも時代に適応していく必要があると危機感を抱きました。

——いつ頃から配送管理の課題解決に向けた検討を始められたのでしょうか?


長田:2018年、2019年は各地で自然災害が起こっていた時期です。地震や豪雨などの災害によって車の数が不足して輸送遅延が発生する事態が起こっていました。運送会社様の数を増やすことで乗り越えられた部分はありましたが限界が見えてきて、管理の一元化ができる方法を検討し始めました。車両が確保できない理由がわかりづらいため、情報集約しやすい方法を探していた中で、物流関連の展示会でハコベルコネクトの存在を知りました。担当者と話している中で「これなら当社の課題を改善できるかもしれない」と印象に残ったのを覚えています。

——ハコベルコネクトの導入を決断するまでにはどのような議論や検討がされたのでしょうか?


長田:本格導入を検討するための具体的な打合せは2019年頃からスタートしました。当時は、納品予約による待機時間の緩和をするシステムなどはあったのですが、ハコベルは配車システムに特化したサービスという点が新しく、関心がありました。当社は菓子食品以外にも冷菓を扱っていますが、今回、ハコベルコネクトを導入したのは冷菓以外の菓子と食品の拠点間輸送、特に幹線輸送に使用するシステムです。コロナ禍でほとんどがオンラインの打合せでしたが、頻繁に両社でコミュニケーションをとりながら問題点や疑問点の解消はできたと思っています。ハコベルコネクトはこれまでの当社の業務の流れを汲んで比較的カスタマイズしやすいという点がありがたかったですね。

——導入の決め手を教えてください。


長田:ひとつはコストです。当社の判断材料としてコスト面は非常に重要だったので、当社の望む機能を入れても配車業務に関わる年間費用は以前の30%近く減少するというのは決断できた点ですね。以前と比較して年間300万円近く削減することができたんです。
あとは、情報の一元化や可視化ができることで、結果として運送会社様のサービスレベルの向上にもつながるということも決断につながりました。

——付き合いの長い運送会社様が多いとのことですが、新システムの導入を浸透させるのは難しかったのではないでしょうか?


長田:2020年にハコベルの担当者と共にマニュアル作りを行い、2021年に自社工場にテスト導入して検証していきました。2022年1月に主要取引先様に対して先行導入をしたのちに5月に全面切り替えをしました。取引先様の運送会社様は会社規模にも違いがありますし、対応者の年齢層も高く、新システムに対応できるのかといった懸念がありましたが、慎重に進めたことで社内だけでなく、取引先様からも喜ばれる結果となりました。

——テスト時の工場や運送会社の反応はいかがでしたか?


長田:当社として繁忙期を避けたかったので、1月と5月のゴールデンウィーク明けにテスト導入をしました。心配をしていましたが、すぐに適応してくれました。(笑)。製造委託している工場を含めた全国6か所の工場から、全国8か所の保管拠点に商品を届けています。最初は「物流のDX化」と言ってもすぐに現場の理解を得られないと予測していましたが、蓋を開けてみれば「こちらに慣れたからもう変えないでほしい」と運送会社様から嬉しい声が届きました。お付き合いの長い運送会社様も、FAXなどで届く連絡シートの情報を待たずとも、入ってくる車両や情報を見ることができるので、とにかく見ればいいという簡便さがよかったようです。
導入にあたっては、ハコベルコネクトのカスタマーサクセスメンバーの方たちが運送会社様にレクチャーをしてくれました。自社工場と運送会社様でオペレーションが異なりますが、ていねいに説明をしていただいたので、現場も大きな混乱はなくスタートできました。
 

——現場の方たちにとっても使いやすいと認識いただけたのですね。管理者として貴社ではどのような手応えを感じましたか?


長田:ハコベルコネクトを運用する画面では常に表示されないデータについても、ハコベルコネクトではデータとして保持されており分析ツールでは多くのデータを組み合わせて得られることがわかってよかったですね。例えば、車のキャンセルから再手配までのプロセスは分析ツールを使うことにより、運用オペレーション上は必要としないデータも含め、詳細を把握できる、といったようなことです。ハコベルコネクトのどの機能を入れるのか判断する上で、「これしかできません」というパッケージになっているわけではなく、導入する機能を自社に合わせて取捨選択ができる調整できるのはとてもありがたかったですね。
当社にはサステナブル経営推進部やDX推進部といった部署があるのですが、物流部門がDX推進につながる取り組みをしているということで、社内でヒアリングをされる機会も増えましたね。
 

——導入によってどのような効果がありましたか?


長田:今までだと運送会社様毎の対応スピードなどが可視化できていなかったのですが、一元化することで各社の特徴を把握することにもつながりましたね。
これまでは、台風などによる遅延の連絡の場合、誰かに伝え、そこからメールや電話で伝えるという手間があり伝達すべき人までスムーズに伝わらないという課題もありました。今はハコベルコネクトに情報を入力することをタスクにすることで、連絡も情報共有もスムーズになってきています。
また、毎年、省エネ法に基づいてCO2排出量を提出しているのですが、ハコベルコネクトの分析ツールには「二酸化炭素算定支援サービス」もあるので、蓄積されたデータから自動で可視化されるので取りまとめも効率的だと思い、導入を予定しています。
 

——導入後に新たに追加された機能や欲しいと思っている機能はありますか?


長田:将来やりたいことを両社で認識を揃えた上で、その実現のために必要な内容についてQA形式のような形で資料に要望や理想をまとめて議論をしました。その上で、例えば、全6か所の工場の納品先を把握できる方法をリクエストしました。これまで工場毎に納品先を見る形でしたが、管理者が全6か所分を見られるようになり、今後、工場増設の際にも活用できそうです。
また、欲しい機能というより工夫したい点があります。特に、タスク機能の活用方法を工夫したいですね。可視化できて誰もが見られる形ですが、逆に誰が返信をするのかといったタスク機能の中の返信ルールなどをより細かに調整ができてくるといいなと思います。
 

——​​時間外労働の上限規制などに代表される「働き方改革関連法」の施行に伴い、物流業界でさまざまな問題が生じると言われている「2024年問題」。ハコベルコネクトは物流業界の課題解決にもつながるでしょうか?


長田:物流業界は、「作業負荷の軽減」と「リードタイムの延長」に取り組んでいるところが多いと思います。配送に関しては車の不足問題があり、いかに効率良く車を使用できるかは各社の課題になっています。今回ハコベルコネクトを導入したことで幹線輸送は、車両の再委託比率がわかるようになり、運送会社様の見極めにもつながります。繁忙期など車の手配がしづらい時期というのは業界としてある程度同じだと思うので、こうしたツール導入の理解が業界で進むとより変わってくるかもしれませんね。
 

——配車のデジタル化によって、物流品質を保つあるいは向上へとつながっていきそうですね。活かせるデータがあることの重要性を感じます。


長田:データによって可視化されると、出荷元や受け手側の混乱を事前に回避するようなことにもつながります。当社の指標として受け手側の在庫回転日数として、受け手側の在庫は14日分くらいにする、つまり過剰に物を送り込まないようにするようにしています。出荷元や納品先の保管能力は販売に影響しますが、これまで車の輸送能力が考えられてきていなかったと思うので、運送会社様の能力がデータ化すれば、各工場から年間どの程度の台数が出ているのか、その平均値を洗い出すことができるので、会社毎の環境に合わせた判断や交渉ができるようになると思いますね。