「物流DX化によって、属人的な配車管理業務手法を見直してコミュニケーションを厳選、業務効率大幅アップ」株式会社ユポ・コーポレーション

会社名
株式会社ユポ・コーポレーション
業種
メーカー
従業員数
347名(2022年3月末時点)
所在地
鹿島工場:茨城県神栖市東和田23
ハコベル導入による成果 :

紙での記録、電話・メール・チャットでのやり取りがすべてハコベルシステム上で完結。業務の標準化、配車状況の可視化、ペーパーレスを実現。配車業務にかかる時間を45%カットすることに成功。

 1969年5月に王子製紙と三菱油化株式会社の折半出資によって「“パルプを原料にした一般紙”に代わる“夢の紙”」の開発を目的として創業された株式会社ユポ・コーポレーション。石油から生成された合成樹脂を主原料とする合成紙「ユポ」をつくっています。水に強く破れにくいなど、紙とフィルムの良さをあわせ持つ合成紙「ユポ」。その一方で、特殊な製品であるがゆえに 荷扱いが難しく、製品形状によっては取り扱える運送会社が限られています。その配送業務を数名かつアナログで管理しているという属人的な業務環境に、当時入社2年目だった鹿島工場事務統括部業務グループ の永井敦子さんは漠然とした不安を覚えたそうです。そこで検討したのが「ハコベルDXシステム」導入による業務のデジタル化。さっそく上司である落合克未  さんに相談し、システムグループと協力して導入へと動き出しました。 そのお二人に、ハコベルDXシステムを活用するに至った経緯やアナログなコミュニケーションを残した理由をお聞きしました。

ハコベルを選んだ理由
1) 業務のデジタル化を進めることで脱・属人化したい
2) 配送スケジュール管理に関するペーパーレスを実現したい
3) 2024年問題対策 を見据えて、配送手段の多角化を検討したい




――貴社は、2022年12月からハコベルDXシステムを活用した車両手配をスタートしました。ハコベルDXシステムの導入以前は、どのような課題を抱えていたのですか?



落合 克未様(以下、落合):私たちの部門におけるミッションは、お客さまの注文に対して安定して製品を届けることです。そのため、「お客さまの指定した日に確実に製品が届く」という“当たり前”を守り続ける必要があります。しかし、製品を届けるための要である配車業務は基本的に1人が担当しており、そのメンバーしか「この日に何を運ぶか」などの情報を把握していませんでした。また運送会社との連絡手段は電話・FAX・メールが中心で、 特に電話の場合は本当に注文が通っているのだろうかという不安が日々の中にありました。この状況を脱するためにはどうしたらいいのかと考えていたときに、永井から「紙での配車管理をやめませんか」と提案がありました。  当社が掲げる企業理念「ユポ百年宣言」内の行動指針には「自ら思考し、発信し、実践する 挑戦する 個を磨き、協働する」というものがあります。鹿島工場でもこの考え方を非常に大切にしていますので、若手である永井の”挑戦”を後押ししようと考え、一緒に「どうすれば改善を進められるか」を考え始めました。



属人的になっていた配車業務を改革しようと提案をしてきたのが部下だった、と話す落合さん


永井 敦子様(以下、永井):当社では1週間分の配車スケジュールと日別の配車状況を紙で管理していました。今の部署に配属されたときに、先輩から「配車の命はこの紙だよ」と言われましたが、業務に慣れていくうちに「命のように大事なものが簡単になくしやすい紙1枚で良いのだろうか」と疑問を抱くようになったのです。しかも、配車管理はほぼ1名のメンバーが管理していて、その人に聞かないと状況が分からない。この紙がないと配車管理ができないので、リモートワークもままならない。課題感を抱えていた頃に自宅で食事をしながら見ていたテレビ番組で「ハコベルDXシステム」が紹介されていました。システムによって書類をデジタル化している様子を見て「こうすればいいんだ!」と思い、すぐに落合に相談しました。



――書類のデジタル化において、具体的にどのような機能を求めていたのですか?



永井:まず配車のスケジュールがひと目で分かること。例えば5月1日の東京行きが何台あるか、社内外の誰もがどこからでもパッと見て把握できるようにしたいと考えました。次に社内メンバーが配車依頼する際に一つのコミュニケーションツールで完結できて、その内容を運送会社にそのまま伝えられること。そして配車手配内容の変更履歴を残せること。当社は依頼されてから3〜5日で製品をお客さまに届けなければいけないことが多々あります。随時スケジュール調整して、ミスと漏れがないように配車する必要があるのです。こうした機能があれば、配車ミスの原因を減らすことができると考えました。



――ハコベルDXシステムを導入した決め手を教えてください。



永井:ハコベルDXシステムを導入する前に、他社類似サービスも比較検討したのですが、それらはオーバースペックで基幹システムから変える必要がある印象でした。私は基幹システムから変えたいというよりも、紙による管理をデジタル化したかっただけなのに、解決するために基幹システムから変えなければいけないとなるとオーバースペックなので選択肢から外しました。最終的には営業担当の方とお話していく中で同業種での導入事例があることがわかり、この会社なら当社のことを分かってくれそうと思い決めました。



「印刷業界に知見があることを感じられた」ことが選定の決め手になったのだという


永井 :ハコベルDXシステムは、必要な機能がシンプルにまとめられていて導入までのハードルが低いのが良かったです。私たちは、これまで紙1枚で管理していたものをデジタル化してメンバーが共有しやすくしたかっただけなので、実用化までの期間が早いことは大きな魅力でした。また運送会社への導入サポート経験も豊富で「CS対応のきめ細やかさ」も決め手の一つです。当社がお付き合いしている運送会社には年齢が高い方も多く在籍されていましたので、新しいシステムを受け入れてくれるか不安だったのですが、ハコベルDXシステムの担当者さんから直接サポートしてくれると聞いて安心できました。また2024年問題も差し迫っている中、対応策などをご相談できるのも心強いと感じました。  



――今回のハコベルDXシステム導入では、運送会社さんが操作に慣れてくれるかが一番の懸念材料だったと伺っています。実際のところ、いかがでしたか?



永井:想像以上にスムーズでした。 運送会社にご提案する前は「うちでは無理です」と断られてしまった場合には、個別対応をするしかないなど不安を抱えていたのですが、みなさん前向きに受け入れてくれました。ある運送会社では、配送管理だけでなく請求処理にも活用するなど私たち以上に使いこなしてくださっていて嬉しかったですね。



運送会社さんが予想以上に使いこなしていることを知り、「嬉しかった」と語る永井さん(写真左)


落合:その一方で、社内からはデジタル化によって運送会社とのコミュニケーションが減り、先の予約が見えづらくなるのではないかという不安の声もありました。当社は各運送会社とは長いお付き合いがあります。電話で急な配車変更をお願いしたり、事前に確認を重ねることでコミュニケーションを密にして信頼関係を築いてきたのです。実際、ハコベルDXシステム導入前は朝と夕方にかかってきていた事前確認の電話が、導入後はピタリとなくなった会社さんもありました。しかし、それで関係が希薄になったかというと、そういうわけではなく急な変更や相談事項など重要なことは電話でやり取りしています。つまり「口頭ではなくても良い」コミュニケーションがなくなり、「話すことに価値がある」コミュニケーションだけが残ったと感じています。


永井:ハコベルDXシステムの導入で情報が1ヶ所に集約されたことにより、社内メンバーも運送会社の方も簡単に情報照会できるようになった今、関わる全員の精神的・物理的負担が減っているという実感があります。社内からは「案件の優先度が判断しやすくなり、業務効率が上がった」という声もあり、実際にハコベルDXシステム導入前より対象業務時間は30時間程度削減できました。 運送会社からは「カレンダー画面で月単位で配車予定を確認できるので、先々の予定が組みやすくなった」などの声をもらっているので、双方にとってWin-Winになっていて本当に嬉しいです。



社内でテスト運用をした結果をまとめた報告資料の1ページ



――今後、ハコベルDXシステムで実現できたら嬉しいことを教えてください。



永井:今後は「担当者の知見」を組み込んで、何も知らない人でも配車手配ができるようになったら嬉しいですね。ハコベルDXシステム導入前の課題として、配送業務の属人化についてお話しましたが、完全に解消したかというとそうは言い切れません。今でも担当者のノウハウでカバーしている部分はあります。ですので、この「担当者の知見」をハコベルDXシステムに登録して、初見の人でも配車手配できるようになったら良いなと思っています。例えば、ハコベルDXシステム上で行先を入力したら「この会社によく依頼されている」などの情報が表示されれば、誰でも迷わずに配車手配できますよね。あとは、過去にトラブルが発生している組み合わせも登録しておいて「A案件の配車で、このようなトラブルが発生した」などの履歴が登録されるようにできれば、未然に対策を立てることもできると思います。


落合:配車業務においては、現状のサービスで満足しています。むしろ、もう1年くらい早く導入しておけば良かったと思うほどですね。そうすれば、2024年問題や二酸化炭素問題の対応に向けてデータを収集できたのに、と。今後は2024年問題などの新たな課題に対する取り組みも一緒に考えていただきながら、ハコベルDXシステムを活用し、時代や当社の成長に合わせた配送をお客さまに提供していきたい、そう考えています。

※「ユポ」、「YUPO」は株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。

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