アナログで工数・関係者共に多かった車両手配のデジタル化により、入力業務の2/3を削減し効率化を実現。さらにシステム管理による業務の「見える化」が進み、事故等を防止する抑止力にもつながっている。
在庫保管業務から配送まで物流に関する業務を総合的に担う大東梱包株式会社。1963年の設立以来、独自のノウハウと実績で梱包・物流業界をリードしてきました。そんな大東梱包は、「ハコベル配車管理」導入検討をきっかけに業務内容を見直したところ、「変えるべき」と思える点がいくつも見つかったそうです。「ハコベル配車管理」を導入してどのような変化があったのか、物流部輸送チームリーダーの輪湖善一さんと営業部業務チームリーダーの春日有希子さんにお聞きしました。
ハコベルを選んだ理由
(1) メール・ファックスなどアナログだった業務のデジタル化を進めたい
(2) 属人化した状態から脱却し、業務の見える化を進めたい
(3) 業務効率化により担当者の負担を軽減し、生産性の向上を図りたい
――貴社は2023年5月にハコベルの「ハコベル配車管理」を導入しました。導入前はどのような課題を抱えていたのでしょうか?
輪湖 善一(以下、輪湖):とにかくアナログな作業が多かったです。営業から配車センターへの依頼や進捗確認のやり取りをメールや電話で行なったり、出荷指示書をFAXで送ったり。また車両手配の担当者が私を含め2名なのですが、何となく作業分担しているものの、その都度互いに進捗確認して進めていたので途中で漏れに気づくことがありました。加えて、2名同時に休んだら業務が止まるというプレッシャーもありました。
「導入当初は不安もあったが “やるしかない” と覚悟を決めた」と話す輪湖 善一さん
春日有希子(以下、春日):これまで私たち業務チームから輸送チームへの車両手配依頼はメールや電話で行なったあと、関係部署の全員が状況を把握できるようにエクセルへの依頼内容入力もしていました。エクセルにいちいち入力するのも大変でしたが、何より誰かがそのエクセルを開いていると、他の誰も開けないというのが業務効率を落としていてイライラしているメンバーが多かったんです(笑)。業務チーム内からもっと簡単な管理方法の方が良いのではという意見が出ていましたが、具体的な方法が分からず、メンバーは不便を感じながらもその方法で業務を進めていました。
――最初に導入を検討することになったときはどのように思いましたか?
輪湖:会社として、以前から「DXしなければいけない」という話は出ていたので、いよいよそのときが来たか、と。「やるしかない」という思いがある一方で、社内、そして協力会社まで導入を広げていくのは大変そうという不安がありました。実際、協力会社の中にはシステムを使うことに拒否感を抱きそうな会社もあったので、直接お伺いして便利なこと、作業が楽になることを丁寧に伝えて理解していただきました。
――導入前、ハコベルからはどのようなサポートがありましたか?
輪湖:カスタマーサクセスの方と3ヶ月間くらい、毎週打ち合わせをしました。その中で当社の要望を伝えたり疑問点を解消していったりしたのですが、その結果、システム上の1つの画面を見るだけで知りたい情報がすべて分かるようにカスタマイズしてもらえたのは本当にありがたかったです。導入し始めてからも、困ったときに電話サポートデスクに問い合わせるといつも手厚く親切にご回答いただいています。
ほかにも協力会社に「ハコベル配車管理」導入を説得しにいく際に同席していただき、ハコベルの利用方法などを説明してくださいました。
春日 有希子さんは「履歴、進捗管理などが見える化されたので確認ができて安心」と話す
――「ハコベル配車管理」を導入して、業務はどのように改善しましたか?
春日:業務チームとしては、お客様から依頼があったら物量から協力会社にチャーターを依頼するのか、自社で配送するのかを判断し、チャーターだったら「ハコベル配車管理」に入力して輸送チームに依頼するという流れになりました。メールで依頼をしていた時と比べると、依頼内容を打ち込む時間は3分の1程度になり、エクセルに関しては利用廃止になったので業務効率化がかなり進んだと思います。新たなシステムを導入する際は、使い方を覚えるのも慣れるのも大変というイメージだったのですが、「ハコベル配車管理」はとにかく使いやすいので、全員すぐに使い方を覚えてスムーズに業務を遂行しています。
輪湖:例えばある月では186件のチャーター手配がありました。これを私が1件1件電話で打診して、出荷指示書をFAXで送って、と対応していたので結構な時間を要していました。今考えるとFAXのところまで歩いていったりする時間も、積もり積もって結構あったんじゃないかと思っています。いまは配車内容は全て「ハコベル配車管理」に入力されていて、適宜修正したうえで、画面上で協力会社への開示ができるので、これらの手間がすべてなくなりました。FAXまでの行き来がなくなったので、もしかしたら少し運動不足になっているかもしれません(笑)。ただ協力会社さんとのコミュニケーションを取るという意味も込めて、電話でのやり取りはあえて残しています。
――「ハコベル配車管理」を導入して良かった点を教えてください。
春日:輸送チーム、そしてその先の協力会社に対してダイレクトに依頼をかけている実感が得られる点ですね。いままでは輸送チームにメールを送ったら、あとは輸送チーム任せという感じがありましたが、「ハコベル配車管理」に自分で入力することで「ちゃんと依頼した」と認識でき、安心感があります。しかも画面をカスタマイズしてもらったおかげで、自分が入力した情報に漏れがないかを1画面を見るだけでパッと確認できるので、ヒヤリハットがなくなりました。
小さいところですが、輸送距離や所要時間の目安が出るのも良いですね。今までは正直「どのくらい時間がかかる案件なのか」はあまり考えずに輸送チームにお願いしてしまっていたのですが、所要時間目安を見て、荷物を前日に積んでおいた方が良いのか、朝に積み込めば十分なのかが業務チームでも判断でき、輸送チームに丸投げすることがなくなりました。
ドライバー不足や災害等の緊急時にも「お客様のビジネスを止めない仕組みづくりをしていく」
輪湖:協力会社の皆さんも、導入当初こそ「大変だ」と不安がっていましたが、いまでは明るい声で「慣れちゃったよ」と言ってくれています。社内でも、導入した当初にタイミングが合わず一緒に手配している60代のメンバーに操作方法を教えることができなかったんですが、気づいたときには自分で操作して問題なく業務を進めていたので、「ハコベル配車管理」がいかに感覚的に操作できるツールなのかを実感しました。
あとは、弊社からの要望で新しい機能を追加していただいたこともあります。些細な機能ではあったんですが、不便を感じていた現状をきちんと理解していただき、スピーディーに対応していただきありがたかったです。
――今後、「ハコベル」をどのように活用していきたいとお考えでしょうか?
春日:いよいよ2024年に入り、協力運送会社様もこれから色々な問題に直面していくと思います。「ハコベル」の導入で少しでも運送会社様の業務を楽にできたり、蓄積されたデータから一緒に改善案を見つけたりと、運送会社様と協力しながらこの問題を解決できるようになればよいなと思っています。
輪湖:「ハコベル」を導入することで、PCさえあれば車両手配できるようになりました。会社としての体制も整えないといけないですが、もしかしたら在宅勤務をしながら車両手配ができるかもしれません。今はスマホアプリで状況確認はできますが、細かい入力はできないようなので、スマホからでも入力ができるようになったら嬉しいです。普段から、営業が出先で受注することが多く、それを業務チームが電話を受けながら対応しているので、営業が直接スマホを使って手配依頼できたら、より効率的に仕事ができるようになるのではないかと期待しています。