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「トラック簿」と「ハコベル配車管理」の連携導入で、新潟センターでは荷待ち30分超の発生率を37.7%から2%へ大幅改善。終業も22〜24時から19時頃に短縮し、残業時間も大幅抑制。業務自動化で合計月55人時超の工数削減も実現した。
商社・丸紅の物流子会社として、全国26拠点で日々500両を超えるチャーター車両の輸送を担う丸紅ロジスティクス株式会社。物流関連法の相次ぐ改正に対応しながら運送実態の可視化という長年の課題に向き合う中で「ハコベル配車管理」を26拠点、「トラック簿」を21拠点に一斉導入されました。特に、米菓をはじめとした商品を全国に送り出す新潟物流センターとその車両手配を担う新発田物流センターでは、両システムを連携活用。その結果、新潟物流センターでは荷待ち時間30分超の発生率を37.7%から2%へ改善、新発田物流センターでも業務負担を軽減しながら法対応を実現されました。今回、導入を推進された本社と、活用・運用を推進された新潟物流センター、新発田物流センターの方々にお話を伺いました。
安全・品質管理室 室長補佐 成瀬 和俊様
新潟営業所 所長 稲川 明様
新潟物流センター 渡邊 由美子様
新発田物流センター 長谷川 可奈子様
(以下、敬称略)
トラック簿を選んだ理由
(1)バース管理システムと配車管理システムを連携できる数少ないベンダーだった
(2)コスト・普及率・自社の運用との親和性の高さ
(3)運営業担当の人柄・熱意・フットワーク・レスポンスへの信頼感
——安全・品質管理室の役割と、今回のシステム導入に至った背景を教えてください。
成瀬:当社は商社・丸紅の物流子会社として、コンプライアンス遵守を含めた安全と品質を最優先事項としています。その中で安全・品質管理室は物流関連法の改正内容を読み解き、全社への説明、現状の計測・把握、課題抽出、改善施策の立案・実行監修までを担っています。
当社は貨物自動車運送事業者でありながら第一種・第二種利用運送事業者でもあり、3PL倉庫事業者でもあります。路線発送を除き全国26拠点で日々500両を超えるチャーター車両を運用していますが、システム導入前の2023年ごろまでは発送時の運送車両の実態・実績が把握しきれていない部分が多く存在し、運送全般の把握が第一の課題と認識していました。そうした中、2025年4月の法改正でこうした管理が義務化されることとなり、これを機に課題の解決に向けて動き出しました。
——DXシステムの活用を検討するようになったのは、どのような理由からでしょうか。
成瀬:入出荷車両の時間把握・統制を手作業で行うことに限界を感じ、トラック予約/受付システムの導入を先行させました。その後、貨物自動車運送事業法・取適法に定められた「運送契約内容の書面化交付」への対応として、手作業では大幅な工数増加が見込まれ、運送実績の一元可視化と作業効率化も合わせて求めることになりました。
左:安全・品質管理室 室長補佐 成瀬 和俊様
右:新発田物流センター 長谷川 可奈子様
——ハコベルを選んだ決め手を教えてください。
成瀬:先行してトラック予約/受付システムの導入を進めたのですが、6社ほど比較して「トラック簿」を選定しました。その時の決め手はコストや普及率に加えて、当社との親和性の高さです。具体的には「わかりやすさ」ですね。PCに不慣れな社員でも簡単に理解できる画面設計やシンプルな操作感などを見て、忙しく動き回りながらシステムを使う現場社員たちの負担を最小限に抑えられるのではないかと思いました。またコスト面でもトライアルから始められたのがありがたかったです。
その後、法改正に備えて書面交付および実運送体制管理簿作成の対応を進めるべく、本格的な運送受発注システムの導入も検討することになりました。ただ、この2システムは重複する入力内容もあります。ですのでこの重複作業を回避できるシステム連携を実現したいと考えていました。ハコベルさん以外にもう1社からお話を聞きましたが、改めて絶対評価で比較し「ハコベル配車管理」を追加導入することになりました。
比較の中で印象的だったのは、法対応に関してハコベルでも利用運送事業を行っているため現場とシステム両面で対応しているのだということで、正に求めている内容を初回打ち合わせで説明してもらえたこと。当社が思い描いていたトラック予約/受付システムと受発注システムの連携について、他ベンダーが「難しい」と答えたのに対し、ハコベルの担当者は「もちろん対応します」と即答してもらえたことも印象深いです。他にもフットワークの軽さや熱意なども感じていましたが、こうした説明が大きな信頼につながりました。
——全社展開にあたって、どのようなアプローチをとられましたか。
成瀬:安全・品質管理室は法令の周知などに取り組んでいますが、すべての社員に同じ解像度で理解を求めるのは現実的にハードルがあります。ですので「これを完全に登録すれば大丈夫」と言えるスキームを先に構築し、登録を正しく実行することが遵法になるようにしました。法令の説明は、仕組みを動かしながら並行して行うイメージです。
システム実装前には必ず拠点へ赴き、担当者・責任者と面談や説明会を実施しました。現場からの個別要望は導入初期段階ではあえて対応せず、要望として留めておくようにしました。拠点ごとに対応が異なると本社として統一を図ることが難しくなるからです。「同じシステムを同じ尺度で全社一律に入れる」という方針を貫いたことが、短期導入の要になったと思います。
——トラック簿の導入前はどのような状況でしたか。
稲川:1日40〜60件の手書き受付で、完全な先着順でした。予約の概念がないので、常時20台近くが駐車場に待機していて、長時間待機が当たり前。ドライバーさん側も荷待ちが長いのが当たり前なので多くの方が車内で仮眠を取られていて、呼び出しの電話がつながらず雨の日や大雪の日でも呼びに行くといったことも常態化していました。当時は荷待ち2〜3時間が当たり前でしたし、センターの作業員についても終業が22時・23時になることも珍しくありませんでした。
渡邊:ドライバーさんも、こちらも、いつ順番が来るかわからない状態でした。センター側としても次にどの車両が来るかわからないため、何をすればいいか先読みもできず、急いで動く感覚がなかったと思います。
——導入・定着までに苦労したことを教えてください。
渡邊:一番大変だったのは、ドライバーさんへのパスコード周知の対応です。今でこそ他社の倉庫でも「トラック簿」が浸透していて慣れた方が増えましたが、当時はまだそこまでではなく・・・。最初はほぼ全員から「パスコードとは何か」と聞かれ、毎回説明する必要がありました。また、予約時刻を確認せず早着してしまうドライバーへの対応もありました。「15分前からしか受付できない」機能制限を設定しつつ、ドライバーに伝える時間とセンター側で認識する時間を15分ずらすという運用上の工夫も重ねました。
稲川:センター側での定着にあたっては、意識改革が最も時間を要したと感じています。正直なところ、以前は「運転手を待たせてもいいし、作業時間もかかっていい」という意識がありました。ですから「トラック簿」のデータを使って繰り返し説明し、「待たせてはいけない」という意識を浸透させていきました。
渡邊:また、現場としては「なかった作業」が生まれたので、やはり戸惑いはあったと思います。PC操作に抵抗のあるリフトマンもいたので、私が代わりに操作する形で吸収しました。もちろんそれぞれに操作を覚えてもらえたらベストですが、台数も多く、リフトマンが頻繁に戻ってくるので、できる人がやった方が全体はスムーズに回るのです。声をかけてもらえれば対応する、というやり方で今も運用しています。
稲川:渡邊さんがいてくださったからこそ、うまくいき始めた部分が大きい。デジタルで統制をかける過渡期において、重要な役割を担ってくれています。
新潟営業所 所長 稲川 明様
——定着してから、現場はどう変わりましたか。
渡邊:モニターにバースの状況と時間が映るようになってから、リフトマンが自然と次の作業を先読みするようになりました。「早く帰れるなら工夫しよう」という意識が生まれて、主体的に動くようになったのが一番の変化です。
稲川:受付機能のみで計測を開始した時点では、荷待ち30分超の発生率が37.7%でした。予約機能の導入、受付時刻制限の追加と段階的に機能を活用するなかで、2026年5月時点では発生率2%まで改善できています。終業時刻も以前の22〜24時から19時頃へと早まり、過剰な残業時間抑制につながりました。
渡邊:1日に積める台数は概ね決まっている中で、どうやったら効率よく進められるか?と皆が考えるようになったのかなと思います。ドライバーさんをこちら都合で長時間お待たせすることはなくなりましたが、敷地は広いですから休憩所代わりに使っていただくことにはオープンにしているんです。ですので、バースが空いて、リフトマンの手も空いている時には、トラックが早めに到着しているのが見えたら「もう積めますけどどうですか」とお話ししたり。ドライバーさんが休憩に入ったタイミングなど断られることもありますが、そうでなければお互い早く作業ができるので喜ばれます。ドライバーさんともポジティブな関係になったと思います。
新潟物流センター 渡邊 由美子様
——配車管理を導入する前、どのような課題がありましたか。
長谷川:FAX・メールを使った運用で、情報の属人化が大きな問題でした。返信がいつ来たかもわからない、情報が行方不明になってしまう、やり取りの内容がその担当者にしかわからない——という状況でした。配車依頼と確認の作業に時間もかかるので、配車表は当日の朝に作成しはじめて、新潟物流センターに共有できるのは昼頃。「昼にわかっても準備のしようがない」という声が新潟からもあがっていました。
これだけ情報が散乱していましたから、当時のままでは、新たに法律で義務化された実運送体制管理簿の作成は難しかったと思います。もちろん大切な対応なのは理解しているのですが、アナログなままでは難しかったのではないでしょうか。
成瀬:全社としてシステム導入のきっかけとなったのは法改正です。ただ、法対応がゴールではありません。この新発田と新潟はかつて分断状態にありました。発送を担うのは新潟ですが、新発田で配車を行うため新潟側は構造的に受け身でいるしかなく、情報の非対称による負担の偏りが生じていたのです。「新発田と新潟の両方が喜んでいて、さらに運送会社様の負担も軽減されている状態」というのが私の目指す状態でした。
新発田物流センター 長谷川 可奈子様
——システム導入にあたってどのように進められたのですか。
長谷川:基本的には本社が一元管理して推進をしていましたが、実務においては段階的な導入を行いました。話があったときに懸念したのは、やはり運送会社様という相手方にもシステムに移行していただく必要がありますので、抵抗感があるのではという不安もありましたし、うまくいかなかった時の影響も懸念していました。それらを確認しつつ改善も同時に進めて行きました。
結果として懸念していたようなことはほぼなく、運送会社様にもスムーズに移行していただけたと思います。並行運用の期間は実際には短く済みました。「FAXをやめていいなんて楽ですね」「Web上で変更できるのが便利」という声を多くいただき、運送会社側から切り替えを望んでくれるような形で一本化できました。
成瀬:各拠点ではこうした不安もあったと思うのですが、本社としては一括で進める必要があった。そこに対してハコベルの営業やCSの皆さんが会社の垣根を越えてチームとして説明会やフォローに取り組んでくれたので、現場も頑張れたのではないかと思います。
——導入後、今はどんなふうに活用されていますか。
長谷川:1日40〜50件の案件を登録するため、依頼の登録漏れや案件管理の抜け漏れが懸念でした。そこで自分たちでどうやったら効率化できるか、導入時の案内でハコベルさんからいただいたヒントを元に案件登録時に必ず運送会社ごとのラベルを付与するルールを設けました。ラベルで一覧を絞り込めるようにしておくと、「〇〇社の案件、今どこまで進んでいますか」という問い合わせにも1秒で答えられますし、進捗の抜け漏れチェックも格段に楽になります。運送会社様からは電話でお問い合わせが来ることも多いので、見たい情報をすぐに見つけて素早く答えられるというのは安心感にもつながります。
また、過去案件のコピー機能も活用しています。以前はメール・FAXで業者ごとのやり方を一から覚える必要があり、以前は新人の立ち上がりに1ヶ月ほどかかっていました。コピー機能を使えば基本の形を先に覚えて細かい部分は後から修正できるので、今は操作自体は1週間ほどで習得できるようになっています。
——「トラック簿」との連携によって、新潟センターとの関係はどう変わりましたか。
長谷川:「新発田では見えていない新潟のトラックが見えているかのように感じられるようになった」というのが一番の変化です。積み込みの開始状況がリアルタイムで確認でき、荷物の追加積み込みが可能かどうかもその場でおおよその判断ができます。在庫調整のため追加積載が毎日発生するのですが、以前は新潟に電話しながら手探りで動くしかありませんでした。今では画面を見て考えることができるようになりました。
また、「トラック簿」で予約時間が設定されたことで、運送会社が遅延時に早めに連絡してくれるようになりました。その情報を「ハコベル配車管理」に反映すれば「トラック簿」にも連携されますから、新潟への情報共有もシームレスに行えるようになりました。
成瀬:以前は分断されてしまっていた情報がつながったことで、両者が同じ前提の元で議論をできるようになりましたから、拠点間の協調の関係性は強まったのではないかと思います。コミュニケーションが闊達になって、皆で全体の負担を軽減するにはどうしようか、という議論ができるようになったと感じています。
——定量的な成果についても教えていただけますか。
成瀬:法改正で対応が必要になった実運送体制管理簿の作成について、仮に人力で対応しようとすると月22人時相当の時間がかかっていたと見積もっています。「ハコベル配車管理」なら自動生成機能でボタンひとつで作れますから、この工数をかけずに法令遵守できたのは大きな成果だと思います。
長谷川:「トラック簿」とシステム連携されたことで二重入力も不要になり、並行作業で想定された月33人時相当の入力工数も回避できました。車番情報など、手入力だと間違いが起きやすいものの入力回数を減らせたのは社員のストレス軽減にもつながっています。
請求は当社の既存システムを使っているのですが「ハコベル配車管理」でデータ集計ができるので実績照合も容易になりました。最初の依頼時から行き先が変わった案件などは、正しい情報を見つけ出すのが大変だったのです。毎月10件ほどはメールやFAXから情報を探す作業をしていましたが、今は日々「ハコベル配車管理」で案件承諾されていることを確認すれば良くなったので、月末や20日の確認がゼロになりました。
——今後の展望と、ハコベルへのご期待をお聞かせください。
成瀬:物効法・トラック法・取適法への対応は、今ようやくスタートラインに立ったところです。把握・統制をかける段階から、さらに改善・最適化のフェーズへ進んでいきます。システムによって可視化されたデータを活用し、常に改善をテーマとしてPDCAを回し続けます。
当社のような運送ノンアセット事業者は、運送車両の統制が最も苦手な部分でもあります。しかしこれを乗り越えることが、物流事業者として勝ち残っていく上で不可欠です。法律はこれからも変わり続けます。その変化に合わせてシステムも進化し続けることを期待していますし、今後も引き続き協調関係を構築していきたいと思っています。
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