栗山米菓×丸紅ロジスティクス 特別対談|「選ばれる荷主」を目指して——荷主と物流事業者が手を取り合う、2024年問題への挑戦

会社名
株式会社栗山米菓・丸紅ロジスティクス株式会社
業種
物流
従業員数
所在地
ハコベル導入による成果 :

栗山米菓の物流を担う丸紅ロジスティクスにて「トラック簿」を導入。物流の課題が可視化され、数字を元に議論できる基盤が整備されたことで、荷主と物流事業者という立場を越えた協業が加速した。

”ばかうけ””瀬戸しお””星たべよ”などの米菓を製造販売する菓子メーカー株式会社栗山米菓と、その物流を担う丸紅ロジスティクス株式会社。2024年問題を契機に始まった物流効率化への取り組みは、荷主と物流事業者が月次でデータを共有し、目標を設定し、対話を重ねる「立場を越えた協業」へと発展しています。その背景や今後の展望を伺いました。

株式会社栗山米菓 物流管理部 部長 阿部 真也様
株式会社栗山米菓 物流管理部 マネージャー 藤間 高志様
丸紅ロジスティクス株式会社 菓子ソリューション事業本部 菓子ソリューション新潟事業部 部長 本間 忠明様
丸紅ロジスティクス株式会社 菓子ソリューション事業本部 菓子ソリューション新潟事業部 菓子新潟営業所 所長 稲川 明様

 (以下、敬称略)


「本当に車がない」——大雪が突きつけた現実


——物流課題に本格的に向き合い始めたきっかけを教えてください。

阿部:数年前から2024年問題として業界全体で議論されていましたが、丸紅ロジスティクス様から「パレット物流にしないと車が確保できなくなる」とご説明いただいたのが最初です。ただ正直なところ、当時はバラ積みでやれているのに積載率を落としてまでパレット化する必要があるのか、という抵抗感がありました。

決定的な転換点は数年前、クリスマス前の大雪でした。約1週間、出荷がほぼ止まってしまったんです。四方八方に頼って手配をお願いしたのですが、車が全く来ない。「本当に車がないんだ」という現実を、はじめて体で感じた瞬間でした。それまで運送会社から営業に来てくれていたのが、いつの間にかなくなっていたことにも気づいて——「運べるかどうかの時代」に入っていることを実感しました。

本間:2024年問題が顕在化する前から、パレット化のお願いはしていました。ただ、荷主様にとっては商品仕様の変更まで伴う話ですから、簡単ではないことも承知しています。ですので、こうなっていくのでどうにかしていただけませんかという説明をする段階から始めていました。スピードに乗って動いていただけるようになったのは、やはり大雪の経験が大きかったと思います。

パレット化という「現場を巻き込む改革」


——パレット化の取り組みは、具体的にどのように進めましたか。

阿部:単純にパレット化すると言っても、車にちょうど積める大きさに商品サイズを変える必要があります。高さで言えば従来は180cm程度まで積んでいたものを、125cm程度に抑えることになりますし、パレット枚数が増えてピッキングの作業量も増える。「昨日まで1人でできた作業が2人に」という場面も出てきました。

藤間:さらに賞味期限の年月表示への切り替えも同時に行いました。工場側からは実質の賞味期間が短くなるとして抵抗もありましたが、やらなければならないと判断して推進しました。包装材料の変更・再検査なども伴う大変な作業でしたが、現場から大きな反発はなかった。みんな「やらなきゃいけない」という共通認識を持ってくれていたのだと思います。

——経営層の理解はどのように得ましたか。

阿部:新潟の菓子メーカーが集まる場に社長が参加し、「2024年問題はうちは大丈夫か」という問いが経営トップから出てきたことが大きかったです。お付き合いのある他社からも率先して取り組むべき問題だという話があり、全社として方針が決まりました。

段階的に進めてきたのは、工場の設備変更も伴うため一度にやると規模が大きすぎるからです。できることはかなりやってきましたが、今はまだ半分くらい。拠点間まではパレット化が進みましたが、その先のラストワンマイルはまだこれからです。

データで見る、対話で動く


——パレット化と並行して、荷待ち時間の改善にも取り組まれたとのことですね。

稲川:パレット化を進めていただくのと並行して、当社でもハコベルのトラック予約/受付システム「トラック簿」を新潟物流センターへ導入しました。待機時間が見える化されたことで、月次MTGの議論が「感覚」から「数字」に変わりました。物効法で定められた2時間ルールの遵守を目指し、まず「平均1時間以内」を目標に設定。丸紅ロジスティクスの長距離便は2時間以内を達成しています。

阿部:目標を決めて、結果を数字で見て、また話し合う——このサイクルが回るようになったのが大きな変化だと感じています。2024年時点では一時1時間程度まで改善できたのですが、その後、商品待ちが発生したり在庫がパンパンになったりして変動もあって。まだ恒常的に維持できているわけではないので、引き続き一緒に取り組んでいます。

>>丸紅ロジスティクスでの「トラック簿」導入についてはこちら


——物流改革を進める中で、取引先との関係に変化はありましたか。

阿部:リードタイムの延長について、以前は問屋さんに相談しても「メーカーの都合でしょう」という受け止め方をされることが多かったんです。でも2024年前後から、空気が変わってきました。物流問題が社会全体で認知されてきたことで、「そういう流れだよね」という理解が自然と広がってきて。こちらから強く言わなくても、納得してもらえるケースが増えてきたと思います。

一つの会社だけが頑張っても限界があって、荷主も物流事業者も問屋も、みんなで少しずつ変えていくしかない。そういう温度感が業界全体で共有されてきたのは、大きな変化ですね。

本間:荷主様が商流の上流でこうした交渉を進めてくださると、配車の精度も上がります。ギリギリのスケジュールと、余裕を持って計画できる状態では、現場の安定感がまったく違います。荷主様が働きかけてくれていることが、物流全体の改善に直接つながっています。

——丸紅ロジスティクス様に期待することを聞かせてください。

阿部:現場の情報はきちんと共有していただいているのですが、最終的には丸紅ロジスティクス様の協力会社の方に、栗山米菓の荷物を「選んでもらえる・喜んで運んでもらえる」状態にしていきたいと思っています。当社の荷物で苦しんでいる場面があれば、改善につなげていきたい。頼り切らず、でも任せながら、一緒に頑張っていきたいですね。

藤間:元々グループ会社としてのご縁もあり、一生懸命取り組んでいきたいと思っています。頼りにしつつ、必要なことは協力し合いながら長く続けていきたい。まだ道半ばの取り組みですが、両社で前に進んでいけると思っています。



——今後、物流全体についてどのように考えていますか。

阿部:メーカーとして良い商品を作ることに一生懸命取り組んでいます。せっかく作った商品が届かないのでは本末転倒ですから、ちゃんと届く状態を作れるよう物流に向き合っていかなければならない。業界全体でやっていかないといけない課題だと思っています。

本間:荷主様と一緒に取り組みを進めることで、物流事業者としても成長できています。こうした「立場を越えた協業」の積み重ねが、持続可能な物流を作っていくのだと思います。



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