

物流効率化法の改正を受けてトラック簿を導入。新システムへのドライバーの負担を考慮し、まずは入退場の管理から運用開始。これまで全く把握できていなかった待機時間の実態が少しずつ明らかになってきており、蓄積したデータを現状把握と課題解決に役立てる予定。
JA全農くみあい飼料株式会社は、国内トップのシェアを誇る配合飼料メーカー。JA全農グループの飼料会社4社と、その4社を完全子会社とする持ち株会社JA全農くみあい飼料ホールディングス(株)の合併により、2024年4月に誕生しました。畜産に欠かせない配合飼料の製造・販売を通して、日本の農業、ひいては日本の食を支えています。2025年6月にトラック簿を全拠点に導入。西日本事業本部 業務部の佐藤様、南條様、倉敷工場の川上様に、導入の決め手などについてお聞きしました。
西日本事業本部 業務部 次長 業務部 物流企画課 課長 事務取扱 近畿広域中継基地 所長 事務取扱 佐藤亮様
西日本事業本部 業務部 物流企画課 課長代理 南條浩之様
西日本事業本部 倉敷工場 次長 川上彰博様
(以下、敬称略)
トラック簿を選んだ理由
(1)タブレットひとつからでも始められる手軽さ
(2)ドライバーさんからも好評だった、使いやすさ
(3)様々な運用方法に柔軟に対応できる機能の広さ

西日本事業本部 業務部 物流企画課 課長代理 南條様
——倉敷工場の概要と貨物・荷役の特徴を教えてください
南條:倉敷工場は、合併前に神戸・岡山・香川にあった3工場を集約して2017年に建てた、当社内で最も新しい工場です。全工場の中で最大級に大きく、年間約70万トンの飼料を製造しています。24時間製造・24時間出荷という体制をとっており、原料搬入と製品出荷を合わせて一日100台くらいのトラックが出入りします。
貨物は3種あり、ひとつはバラ餌です。バルク車という粉粒体専用のトラックの槽へ直接餌を入れるため、ドライバーさんの操作で荷役が完結します。これが貨物の85%を占めます。残り2つはフレコンと紙袋で、作業員がフォークリフトで平ボディ車やウィング車に積み込みます。倉敷工場には鳥・豚、牛あわせてバラ餌のバース(出荷ゲート)が合計18、フレコンのバースが合計4あります。
——トラック簿の導入経緯を教えていただけますか?
南條:導入検討のきっかけは物流効率化法の改正です。私たちは特定第一種荷主と特定第二種荷主の両方に当てはまります。中長期計画の策定・定期報告と、それに伴う荷待ち荷役時間の計測・集計・報告が必要になったため、データ取得方法として、定点カメラの導入などさまざまな方法を検討しました。
トラック簿と競合するトラック予約・受付システムも複数検討しました。1カ月のお試し運用で比較をしてみたところ、データを集計・管理する私たちの意見に加え、ドライバーさんからも「トラック簿の方が使いやすい」というお声をいただきました。そこで25年6月に、当社の14工場と1拠点を合わせた15カ所すべてに導入すると決めました。
——全拠点に導入されたのですね。その理由は何でしょうか?
南條:ただ物流効率化法に対応するだけなら全拠点のデータを取得する必要はありません。導入決定後に明らかになったことですが、物流効率化法の中ではすべての拠点での荷待ち荷役時間の報告は求められていません。しかししっかり課題と向き合って荷待ち荷役時間の削減をめざすなら、やはり全拠点の状況を把握すべきだという結論になりました。
——複数のシステムを比較検討されたとのことですが、トラック簿の採用を決めた理由はどんな点でしょうか?
南條:いろいろありますが、ひとつは手軽さ、導入しやすさです。トラック簿はタブレットひとつからでも始められるため、初期投資も少額で済みます。年間契約のところが多い中、月次契約できる点も差別化ポイントになりました。少ない手間とコストで気軽に始められると感じました。
そして必要最低限のシンプルなプランがあったこと。ドライバーさんたちの負担を考慮し、新システムの導入は徐々に進めたいと考えていたので、スモールステップで始められる点は大きな魅力でした。また、新システムの導入は周知が大変です。お試し期間を設けていただいたことで、案内しながら無理なく導入できると実感できたことも大きかったです。
使い勝手の良さも決め手となりました。オプションも含めて一つひとつの機能を比較検討し、出来ることと出来ないことを確認しました。機能によっては他社の方が良い部分もあったと思いますが、総合評価では間違いなくトラック簿に分があると思いました。
特に、必要に応じて入力項目をカスタマイズできる点もありがたいですね。バラ餌とフレコンなどでは荷姿も入構後の流れも全く異なり、それぞれ取得したいデータも違うため、一元管理が難しいことが長年の課題でした。その点トラック簿は柔軟な設計・運用が可能です。荷姿ごとに管理画面を変えるなど、ハコベルさんに相談しながら工夫して使っていけたらと思います。

設置いただいているタブレット

西日本事業本部 倉敷工場 次長 川上様
——これまで、荷待ち荷役時間の把握に関して、どのような課題がありましたか?
川上:多くのトラックが朝に集中して来るため待機が多く発生し、代わりに夕方は極端に少ない状態でした。このことは感覚的には分かっていましたが、実際に入場時間にどの程度の偏りがあるか、どの程度荷待ち荷役時間が発生しているのかなどは、正確に把握できていませんでした。やろうと思えば伝票発行時間から実態を把握することはできたと思いますが、手間などを考えるとあまり現実的ではありませんでした
——トラック簿でどのように対応を進めていますか?
南條:まずは受付のみのプランで、入退場時間の管理から始めています。感覚的にしか捉えられていなかった入退場データをある程度蓄積することで、各トラックがどれくらいの時間待機しているのか、何時に何台くらい待機しているのか、といった情報をデータで可視化し、繁忙時間帯にトラック入場の台数を制限する必要があるのかといった、対策立案につなげていきたいと考えています。
荷待ち荷役時間の対策には、入場時間の予約が効果的なことはわかっていますが、例えば倉敷工場に月に1~2度くらいしか来られないドライバーさんにまで予約ルールの徹底をお願いすることは簡単ではありません。ドライバーさんや運送会社のご担当者様の負担もありますので、そのような負担と効果をきちんと見極めながら、入場時間の予約などの対策を進めていきたいと考えています。
——トラック簿導入により、変化や成果はありましたか?
南條:現状は入退場時間の管理のみなので、業務の流れに大きな変化はありません。伝票発行を行う窓口にトラック簿のタブレットを置いて、到着時と退場時に操作していただくことにしています。
まだデータが少しずつ溜まってきている段階ですが、そのデータから分かったことがひとつあります。ときどき滞在時間が異様に長いドライバーさんがいて、朝8時くらいに入場して15時とか16時に退場しているケースがありました。確認すると「受付や作業の後に休憩していた」「構内作業を手伝ってくれていた」などの事実がわかりました。現場の方々は以前から知っていたのでしょうが、受渡現場に常にいるわけではない業務部としてはデータを見て初めて知る事実で、驚くとともにデータ収集の意義を改めて感じました。
この件は一例に過ぎませんが、全拠点の状況を理解しながら拠点特徴に合わせた対策を取っていくためには、このようなデータ収集による現状把握が大切だと思います。

西日本事業本部 業務部 次長 業務部 物流企画課 課長 事務取扱 近畿広域中継基地 所長 事務取扱 佐藤亮様
——物流効率化のために、今後取り組んでいきたいとお考えのことはありますか?
川上:お試し期間にデモ機を設置した際に、ドライバーさんから声掛けをいただいたことがありました。「原料メーカーさんのところでも見かけるよ。ここにも入るんだね」といったコメントで、ドライバーさんたちも業界の変革を肌で感じているんだなと思いました。ドライバーさんにも操作などの協力をしていただく必要はありますが、労働時間の短縮や付帯業務の削減といった形で還元できると思うので、その点を周知しながら改善を進めていきたいです。トラック簿にはスマホ対応などの機能もあるので、必要性を吟味しながら少しずつ機能を広げていき、より利便性を高めていけたらと思います。
佐藤:倉敷工場では夜間での積込も発生しています。人目が少なくなる夜中に何が起こっているのかは、昼間以上に把握しづらいのが現状です。トラック簿でデータを取得・蓄積することで、すべてのドライバーさん、すべての運行に対しての改善を進めていきたいと考えています。
南條:今後は当社で使っている既存の受発注システムとトラック簿を連携できれば理想的ですね。トラック簿でのデータ取得精度も高まりますし、ドライバーさんの操作負荷も更に下げることが期待できます。一歩一歩着実に改善を進めていきたいと思います。
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