受付・呼出機能の活用で受付担当者・リフトマン双方の負担が大幅に改善 蓄積したデータによる荷待ち短縮にも期待 山九株式会社福岡支店福岡物流センター

会社名
山九株式会社 福岡支店
業種
物流
従業員数
210名
所在地
福岡県福岡市東区箱崎ふ頭4-5-9
URL
https://www.sankyu.co.jp/
ハコベル導入による成果 :

受付や呼出にかかる、従業員の負担が大幅に改善された。従来の紙ベースの受付体制では難しかった荷待ち荷役時間の集計・分析ができるようになり、分析結果をもとに業務改善や荷主・運送事業者との交渉を推進。徐々に改善成果が現れている。

山九株式会社福岡支店は、福岡市内に3つの倉庫を持つ運輸・倉庫業を主力事業にする支店です。一般貨物の出入庫・保管・配送手配のほか、外国貨物の輸出入、天井クレーンを装備した梱包倉庫での積卸荷役などを手掛けています。

物流総合効率化法の施行によりトラックの荷待ち・荷役時間削減が求められる中、当支店では隣接する福岡物流センター・第二福岡物流センターの2つの倉庫に「トラック簿」を導入しました。両倉庫の管理・運用を担当する同支店港運グループ 福岡物流センター係の皆様に、導入の経緯と現在までの成果をうかがいました。

山九株式会社 福岡支店 港運グループ 福岡物流センター係
正野 敬士様
金﨑 雅史様
平原 由裕様
緒方 友美様

(以下、敬称略)

トラック簿を選んだ理由
(1)受付・呼出しにかかる従業員の負担が大きかった
(2)荷待ち荷役時間削減に向け、データ収集が必須だった
(3)受付・呼出し機能だけの利用ができたため、導入ハードルが低かった


 

受付担当者・リフトマンの負担を軽減でき、かつ導入ハードルが低いシステムが「トラック簿」だった


左から、金﨑様、正野様


——福岡物流センター様では、これまでどのような流れで受付・積み降ろしを行われていたのでしょうか。

緒方:トラックが到着したらドライバーさんに事務所へ来ていただき、受付書類に社名・車番・車種・連絡先を記入していただきます。その内容を、受付担当者が入出荷現場に無線で連絡し、誘導先バースの指定、または待機の指示をもらいます。待機になった車両の順番が来たら、リフトマンが倉庫から車両の待機場所まで呼びに行くという流れでした。

事務所からは入出荷現場の様子をうかがうことができなかったため、受付が済んだら後は現場任せという状況でした。2つの倉庫で合わせて1日50台ほどの出入りがあり、時間帯によっては待機車両が増えて、車列が敷地から外へあふれてしまうこともありましたね。

金崎:車列が外へ出てしまう場合はできるだけ敷地内に入ってもらえるよう、事務所の人間が誘導に出なくてはなりませんでした。

——そうした状況からトラック簿の導入を検討されたのですね。

正野:はい。トラック簿はシステム開発を行っているグループ企業から紹介されました。他にも同種のシステムを調査検討していたのですが、予約システムしかないと思い込んでいたので、受付・呼び出しだけをシンプルに使えるシステムがあることは新しい発見でした。

受付をシステム化するにしても、いきなり予約が必要な形にすると、社内的にもドライバーさんにも影響が大きすぎます。受付・呼び出しだけなら、簡潔で導入のハードルが低いと考えました。他のシステムとも比較しましたが、やはり機能がシンプルなことと、導入コストが低かったことがトラック簿を選ぶ決め手になりました。


受付担当者とリフトマンの無線やりとりが不要になり、負担が大幅に改善された


左から緒方様、平原様


——トラック簿を導入されて、業務の流れはどのように変わりましたか?

平原:ドライバーさんが受付に来られたら、タブレットで入力してもらう形になりました。後は車上で待機してもらい、現場のリフトマンからの呼出しがスマートフォンに届いたら、指定のバースへ向かってもらう、という流れです。受付と現場と行っていた無線のやり取りと、リフトマンが待機場所までトラックを呼びに行く作業がなくなったことは大きな変化でした。

緒方:そうですね、実は受付担当者も無線でのやり取りが結構な負担になっていました。現場の方も作業中のためなかなか応答できないこともあり、ドライバーさんに受付で待ってもらうこともありました。そこが劇的に改善されたのは本当に良かったと思います。


トラック予約受付システムに慣れたドライバー様もおり、スムーズに導入ができた


金崎:導入時に心配だったのは、ドライバーさんや従業員がスムーズに操作できるのか、という点でした。トラック簿の導入によって、荷待ち・荷役時間を集計できることが一番のメリットと考えていましたが、ドライバーさんや従業員が拒否反応を示したり、入力ミスや操作忘れによるデータの欠落が発生するのではという懸念がありました。

——心配されていたタブレット操作についてはいかがでしたか?

平原:年配のドライバーさんはおそらく苦手意識があるだろうと予想していました。実際、最初は抵抗感を持つ人もいましたが、一度使えばあとは意外とすんなり受け入れられたと思います。ちょうど他の倉庫でも徐々に受付システムの導入が進んできたこともあって、使ったことのあるドライバーさんも少なくなかったようです。受付システムがある程度普及したタイミングでの導入となったことがプラスに働いたと思います。

受付で使っているタブレット


金崎:受付には簡易的なマニュアルを置いて、ドライバーさんに操作方法を周知しています。

緒方:導入後しばらくは、リフトマンが「作業完了」を入力し忘れるケースが時々ありましたが、それも慣れるに従って徐々に改善してきました。

リフトマンは待機している車両まで歩いていく必要がなくなった




データ分析でパレット化の交渉にも説得力が増した、今後は予約システムも視野に


——導入によって、現在までにどのような成果が出ていますか?

金崎:受付後のトラックが何台待っているのかをシステム上で把握できるようになったことで、混雑時には事務所から現場へ人を派遣するなど、流動的な対応が可能になりました。車列が外まで伸びるようなことはほとんどなくなってきましたね。

また、実績データの集計から、時間がかかっている作業を具体的に把握できるようになりました。例えば、特定の貨物のトラックで積み降ろしに時間がかかっていたら、バラ積みをパレット化してもらえるようお願いをするなど、荷主・運送事業者さんとの改善の協議に活用しています。

正野:今までの私たちは「バラ積みとパレットで1時間くらい違うと思います」というようなふわっとした言い方しかできなかったのですが、データで示すことで説得力が増しました。

金崎:これまで続けてきたやり方を変えることにはやはり不安がありましたが、徐々に現場作業の効率化やトラックの拘束時間削減に繋がっていることを日々体感しています。現状では朝イチ・昼休み直後・夕方に混雑が集中する課題があり、まずはその平準化を目指して、集計データをもとにお客様との改善協議を進めていっています。

——現在までの成果を踏まえ、今後への期待や取り組みたいことがあればお聞かせください。

正野:導入前は不安もありましたが、使い始めてみたらとてもスムーズで、よく考えられたシステムだと思ったのが率直な感想です。データ集計にも配慮が行き届いていて、助かっています。今後は予約機能の活用も前向きに検討したいですね。

平原:荷待ち・荷役の時間を短縮するためには、当社だけではなく荷主企業様のご理解が不可欠です。蓄積されたデータを使って、荷主企業様との交渉も進めていきたいと思います。

トラック簿の概要資料をダウンロードする

プライバシーポリシー をお読みの上、
同意して送信してください

お客様の声