物流技術管理士の役割とは?資格の取得方法やメリットまで解説

物流技術管理士の役割とは?資格の取得方法やメリットまで解説

物流業界は、ネット通販市場の拡大や人材不足の深刻化に伴い、効率化とコスト削減が求められています。その担い手として注目されているのが「物流技術管理士」です。

物流技術管理士は物流現場でのプロセス改善やコスト削減などに貢献する専門家であり、商品の保管や輸送、在庫管理など多岐にわたる業務を総合的に管理するリーダー的存在です。

また資格を取得することは、社内での評価向上やキャリアアップの可能性にもつながります。本記事では、物流技術管理士の役割や資格取得のメリットを詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 物流技術管理士の役割について
  • 物流技術管理士資格を取得するメリット

1. 物流技術管理士とは?

物流技術管理士とは、物流・ロジスティクスに関する専門知識とマネジメント技術を備え、物流業務全体の効率化や最適化を支援する専門家です。物流現場において、商品の保管・在庫管理・輸送・配送などのプロセスを分析・改善し、最適なシステムの設計や運用を行う役割を担います。

例えば、拠点間の輸送効率を見直しルートの最適化を提案することで、輸送コストの大幅削減に貢献します。また、倉庫内の在庫管理やピッキング作業を効率化することで人的リソースを最適化できれば、無駄な労力の削減にもつながります。

物流技術管理士は物流業務の課題解決を図り、コスト削減や効率向上に貢献するため、多くの企業で重要視されています。ネット通販市場の拡大や物流業界の複雑化に対応するうえで、持続可能な物流体制を構築するリーダー的存在となるでしょう。

※参考:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会,物流技術管理士 資格認定講座

※関連記事:物流業界の全体像と未来展望|現状の課題とトレンドを解説

2.物流技術管理士の資格を取得するには?

物流技術管理士の資格を取得するには、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が主催する試験を受けましょう。試験の概要は以下の通りです。

項目

内容

資格名

物流技術管理士資格認定講座

実施機関

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会

受験資格

  • 物流に関する基本的な用語を理解している(物流実務経験2年程度)  
  • 「物流技術管理士補」の有資格者  
  • 公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会の講座を修了すること

物流技術管理士資格認定講座のカリキュラム

  • プレミーティング (集合研修)  
  •  経営とロジスティクス  
  •  物流コスト管理  
  •  物流拠点管理  
  •  輸配送管理  
  •  包装技術  
  •  物流現場改善  
  •  総合演習I  
  •  在庫管理とSCM  
  •  グローバルロジスティクス  
  •  グリーンロジスティクス  
  •  物流アウトソーシングと3PL  
  •  ロジスティクスの社会的役割  
  • 総合演習Ⅱ

受験形式

1. 客観試験

講座で学んだ内容を基にした正誤問題、選択問題、穴埋め問題、計算問題等の筆記試験  


2. 論文試験  

業務や企業の改善に関する5,000字〜6,000字の論文を提出  


3. 面接試験

作成した論文に基づく質疑応答とプレゼンテーション能力の評価

合否判定

各試験の得点が6割以上、総得点60点以上で合格


※参考:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会,物流技術管理士資格認定講座

まず、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が提供する「物流技術管理士資格認定講座」を受講します。講座内容には「物流コスト管理」や「在庫管理」といったコスト削減に直結する具体的なテーマが含まれており、理論と実践の両面から学習します。

ほかに、2年程度の物流実務経験があることや「物流技術管理士補」の資格を取得していることも受験する条件です。物流技術管理士の試験を受ける際は、これら2つの条件も考慮しましょう。

試験形式には客観試験・論文試験・面接試験があり、それぞれで業務コスト削減などに関する理解度が問われます。各試験の得点が6割以上、総得点60点以上で合格です。

3. 物流技術管理士の資格を取得するメリット

物流技術管理士の資格を取得するメリットは、以下の4つです。

 1. 専門知識と技術力を証明できる

 2. 物流業務効率化に貢献できる

 3. キャリアアップにつながる可能性がある

 4. 社内での評価につながる

順番に解説します。

メリット1:専門知識と技術力を証明できる

この資格は物流業務の最適化や効率化、IT技術の導入など、複雑な業務を遂行する能力の証となり、業界内での専門家という認識が得られるでしょう。

メリット2:物流業務効率化に貢献できる

物流システムの設計や改善提案に必要な知識を習得できるため、現場の問題点を分析して最適な解決策を提供することが可能になるでしょう。

効率的な倉庫レイアウトや在庫管理の見直しを行うことで作業の無駄を省き、コスト削減や時間短縮を実現することが可能です。また、資格認定講座で実務経験豊富な講師から最新の物流技術やノウハウを学ぶことができるため、即戦力として現場で活躍する準備が整います。

メリット3:キャリアアップにつながる可能性がある


物流業界における専門知識とマネジメント能力を証明する資格であるため、物流システムの設計や効率的な運営を担う立場に就くことが可能です。

また、物流業務の改善や効率化をリードできる人材として評価されれば、より責任の大きいポジションや大規模なプロジェクトに抜擢される機会が増えるでしょう。昇進や新しいキャリアパスを切り開く要素となりえます。

メリット4:社内での評価につながる

物流技術管理士の資格取得は、物流に関する高度な知識と技術を証明し、業務の効率化やコスト削減に貢献できる人材という評価につながります。

また、トラブル対応やシステム改善に関して迅速かつ的確な判断ができることは、信頼性を高めます。物流のスペシャリストとしての評価が確かなものになれば、昇進や重要なプロジェクトを任される機会も増えるでしょう。

まとめ

物流技術管理士とは、物流業務における業務効率化やコスト削減、マネジメント力向上に貢献するリーダー的存在です。資格を取得することで、キャリアアップや社内評価の向上につながり、企業の競争力を高める重要な人材となります。

物流技術管理士は、今後も物流業界において欠かせないプロフェッショナルとしての役割が期待されています。

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