動態管理とは?荷主の立場で動態管理システムを活用するメリットを解説

動態管理とは?荷主の立場で動態管理システムを活用するメリットを解説

2020年代には物流テクノロジーが大きく発展し、物流業界では物流DXが盛んに聞かれるようになりました。昨今の配送業務では動態管理の実装が進められています。動態管理を行う直接的なメリットは運送会社にありますが、荷主にも恩恵があると言えます。


荷主も運送会社と協力した動態管理システムの活用が求められています。そこで本記事では、動態管理の概要やメリット、具体的な事例として「ハコベル動態管理」を紹介します。

この記事でわかること

  • 動態管理とは?
  • 動態管理のメリット
  • 具体的な事例と「ハコベル動態管理」について

1. 動態管理とは

動態管理とは、GPS搭載の端末を使用して、配送トラックやドライバーの稼働状況をリアルタイムで管理・計測する仕組みです。


過去には車載端末の設置に多額のコストがかかりましたが、現在ではシガーソケットにデバイスを挿入するだけの端末も登場しています。他にも、専用システムでの管理方法からアプリを利用する方法に変わるなど、費用や工数の面でハードルが下がったことにより、様々な企業で導入が進んでいます。


現在では動態管理システムとして実装され、これまでにない形でコスト削減や配送品質の向上を図ることができるようになっています。



2. 動態管理システム導入で運送会社・荷主が得られるメリット

動態管理システムの導入で得られるメリットにはどのようなものがあるでしょうか?本章では、運送会社・荷主側の視点で7つのメリットについて詳しく説明します。


メリット1:運送効率が向上する

リアルタイムの配送トラックの位置情報を取得することで最適なルートを選定でき、無駄な走行を減らすことができるようになります。また、渋滞や事故などの交通情報を即座に反映したルート変更も可能となり、配送効率が向上します。


加えて、蓄積されたデータを分析することで、渋滞が発生する地点や運行時のムリ・ムダを見つけることができるようになります。その分析結果を配車に反映させることは、配送指示の効率化や配送ルート選択の最適化につながります。


関連記事:物流効率化に向けた政府の取り組みとは?荷主企業に求められることも解説


メリット2:最適ルートの選択により燃料費が削減できる

目的地までのルートを最適化できれば無駄な運転時間を削減でき、ドライバーの労働時間の抑制が図れます。また、最適ルートの選択で燃料費の削減や生産性の向上が実現できます。


メリット3:問い合わせコストを削減できる

動態管理システムを導入すると、荷主・納品先・運送会社等の関係者が共通の画面で位置情報・到着予測を確認することができます。その結果、到着時間の問い合わせ工数を減らすことができ、荷主-配車担当者-ドライバー間の電話のやり取りが不要になります。このように関係者が情報を共有することにより、問い合わせコストを削減できます。


メリット4:配車業務を効率化できる

運送業界では電話やFAXなどのアナログな手段で配車のやり取りをしている企業も多いですが、人力で管理することには限界があります。動態管理システムを活用すれば、車両管理及び労務管理の効率化を図ることが可能です。配車の履歴やスケジュールを一元管理することで、配車ミスの原因を減らすことができます。


メリット5:イレギュラー依頼への対応力が向上する

運行状況を迅速に確認し、トラブルに対処できるようになります。例えば遅延が発生した場合でも、事前に納品先への通知が可能となります。他にも、リアルタイムで自社車両の位置やスケジュールを正確に把握できるため、荷主の急な集荷依頼に迅速に対応することができます。


メリット6:ドライバーの稼働時間を正確に把握できる

実際の運行状況に即したドライバーの稼働時間が把握でき、2024年問題のリスク回避が可能になります。ある食品卸企業では、全国の配送車両を対象に動態管理システムを導入し、車両の有効活用や積載率の向上を図ることで2024年問題への対応を推進しています。

関連記事▶2024年問題によるドライバー不足の対策方法とは?原因や影響も解説


メリット7:運送の安全性が向上する

運行状況をモニタリングすることで、ドライバーの過労や無理な運転を防止できます。また、緊急事態の場合、早期の発見と対応が可能となります。配送ルートの最適化による輸送時間の削減が、事故の原因となるような無理な運転の防止にもつながります。



3. 動態管理システム導入でドライバーが得られるメリット

ドライバー側の視点ではどのようなメリットがあるでしょうか。本章では事故防止と負荷軽減の2つのメリットについて詳しく説明します。


安全意識の向上を図ることができる

運行状況がモニタリングされることにより、安全運転の意識が高まります。また、動態管理システムの中には安全運転を評価するデータを記録するものもあり、データに基づいた指導が可能となります。


日報を効率的に作成することができる

動態管理システムの中には自動で日報を作成する機能を備えたものもあります。ドライバーが日報を手作業で作成している場合、自動化することができれば作業負荷が軽減され、本来の運送業務に注力できるようになります。



4. 動態管理システムの事例「ハコベル動態管理」

ここまで説明した通り、動態管理システムの導入には多くのメリットがあります。本章では動態管理システムの事例として「ハコベル動態管理」を取り上げ、その特徴について詳しく説明します。


「ハコベル動態管理」とは

「ハコベル動態管理」は“物流の次を発明する”をミッションに掲げるハコベル株式会社によって提供される動態管理システムの名称です。ハコベル株式会社は「運送手配サービス」と“荷主向け”「物流DXサービス」を2大事業としており、「ハコベル動態管理」は「ハコベル配車計画」「ハコベル配車管理」とともに「物流DXサービス」で展開する製品の1つと位置付けられています。


※参考:ハコベル株式会社,物流DXシステム


「ハコベル動態管理」の特徴

「ハコベル動態管理」ではアプリを活用して位置・到着予測時刻を関係者間で共有でき、コスト削減と品質向上を図ることができます。以下では、荷主が得られるメリットを中心にその特徴を述べていきます。


①案件詳細から車両の位置情報・到着予測時間までを確認できる

車格・交通規制・交通渋滞を考慮してルート予測を行い、到着時間を予測します。また、案件の登録情報との差異から遅延のモニタリング確認もできます。遅延のおそれがある場合に、管理者へのメール通知も可能です。


②モバイル端末から運送状況のモニタリングができる

配車担当者用アプリを使えば外出先でのモニタリングも可能です。また、動態管理中の配送トラック一覧を表示して遅延状況を確認することができます。


③その他ハコベルサービスとの連携で業務を効率化できる

「ハコベル配車計画」や「ハコベル配車管理」を併用することで、配車業務プロセス全体の標準化・脱属人化が図れます。その結果、配車業務の効率化が見込めます。

※参考:ハコベル株式会社,ハコベル動態管理



5. まとめ

本稿では動態管理の概要及びメリットについて説明し、動態管理システムの事例として「ハコベル動態管理」を紹介しました。


一般的に動態管理システムは、配送トラックを保有する運送会社が中心となって導入を図りますが、2章のメリットで説明した通り、荷主にとっても恩恵が大きいことを指摘できます。


荷主も動態管理システムの導入で得られるメリットをしっかり理解し、運送会社と協力しながら動態管理システムを活用することで、コスト削減と品質向上の実現を目指しましょう。

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