ロジスティクスサービスとは?荷主の立場でロジスティクスサービスを活用するメリットを解説

ロジスティクスサービスとは?荷主の立場でロジスティクスサービスを活用するメリットを解説

ECや通販などの増加に伴い、ロジスティクスの重要性が強く意識されるようになりました。ロジスティクスを請け負う企業も登場し、様々なロジスティクスサービスが展開されています。

荷主もロジスティクスサービスを理解し、自社の事業に適した形で活用すれば、ロジスティクスの高度化やコア業務への集中を図ることが可能です。

本記事ではロジスティクスサービスの概要及びメリットについて詳しく説明します。また、具体的な事例として「ハコベル運送手配」を紹介します。

この記事でわかること

  • ロジスティクスサービスとは?種類や特徴について
  • サービス導入のメリット

1. ロジスティクスサービスとは

ロジスティクスとは、調達・生産・物流・販売などの活動を統合的に管理する経営手法であり、輸配送や倉庫保管を管理する物流の上位概念にあたります。

ロジスティクスサービスとはそのようなロジスティクスをサポートするサービスを指し、商品の調達から発送までを一貫して効率的に管理し、購入者へ高品質のサービスを提供します。

最近ではECなど無店舗で販売する事業者も多く、ロジスティクスサービスは事業に欠かせない存在です。

※関連記事:ロジスティクスの意味や目的を詳しく解説!ロジスティクスで企業の競争力を強化


2. ロジスティクスサービスの3つの種類と特徴

ロジスティクスサービスには主に受注代行、物流代行(倉庫業務・発送・配送)、フルフィルメントサービスがあります。以下ではそれぞれの特徴と違い、活用ポイントを説明します。



>タイプ1:受注代行

受注代行とは、受注から配送のための物流指示までを荷主に代わって実行する業務を指します。受注後は在庫の確保や物流センターでの作業指示も行います。

受注代行では特に、注文内容の変更やキャンセルも含む顧客の状況をリアルタイムに把握し、後行程である物流作業へ適切に指示することが求められます。


>タイプ2:物流代行

物流代行とは、商品を受け入れ、発送作業を行い、顧客へ配送するまでを荷主に代わって実行する業務を指します。

物流代行が対象とするのは受注し、物流作業指示が行われた後のプロセスです。

物流代行では、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)と呼ばれる物流業者が請け負うことも多くなりました。物流代行では主に、物流作業品質の向上、効率的な業務運営、顧客の要望を反映した納期管理が求められます。


>タイプ3:フルフィルメントサービス

フルフィルメントサービスとは、受注から顧客への配送までの一連のプロセス全てを代行するサービスを指し、代金回収や返品処理なども含みます。

受注代行(商流)と物流代行(物流)に同時に対応するサービスです。

サービス提供の主体は物流業務に強みを持つ大規模EC事業者が多く「フルフィルメント by Amazon」などが有名です。フルフィルメントサービスを提供する業者は商流と物流のプロセスを一貫して管理することにより、荷主の業務負荷の軽減を図ります。

このように、現在では様々なロジスティクスサービスが展開されています。荷主は自社の業務や商品の特性、リソース配分などを考慮して、必要なロジスティクスサービスを検討することが重要です。




3. ロジスティクスサービスの導入で得られる4つのメリット

荷主企業の視点でロジスティクスサービス導入のメリットを説明します。メリットは主に①業務効率化②顧客サービス品質の向上 ③収益の改善 ④コア業務への集中の4点です。



>メリット1:業務効率化

受注代行や物流代行を行う事業者は、経験豊富で専門性が高いと言えます。請け負っている他の荷主とも共通のプロセスで運営すれば、低コスト運用が可能になることもあります。



>メリット2:顧客サービス品質の向上

対応可能な業務が増えると、サービスレベルの向上も期待できます。例えば物流代行では、商品のラッピングや値札付けなどの流通加工に注力できる場合があります。

繁閑差による人員の調整を柔軟に行えることも特徴です。安定的なオペレーションは信頼性を向上させ、顧客に安心感を与えます。

また、商流と物流のスムーズな連携によりストレスのない購入プロセスを体験できることも顧客満足度の向上につながります。


>メリット3:収益の改善

先の2つのメリットの結果、コスト削減と売上の増加から利益アップが期待できます。

例えば自前の倉庫を外部委託に切り替えると、固定費が変動費化されます。また、受注管理や物流業務にかかっていた経費が可視化されることで経営管理が容易になり、コスト効率を向上させる余地が生まれます。


>メリット4:コア業務への集中

例えば受注業務や物流業務に投じていた人員や投資などを、商品企画、マーケティング、営業などに振り向けることができます。


4. ロジスティクスサービスを導入する際の注意点

ロジスティクスサービスは、業務効率化や顧客サービス品質の向上につながる便利なサービスですが注意点もあります。

ここでは、導入する際の注意点を3つ解説します。

>注意点1:初期投資のコストがかかる

ロジスティクスサービス導入を検討する場合、システムの導入費用や統合に関わるコストが発生する点に注意が必要です。特に、既存の物流管理システムと新たに導入するシステムを統合する場合、カスタマイズやデータ移行に多額の費用がかかることがあります。

また、システム導入後の運用をスムーズにするためには、従業員への研修や業務プロセスの見直しが不可欠です。新システムに適応するまでの期間は一時的に業務の効率が低下する可能性があるため、事前に十分な準備を行い、投資対効果を見極めたうえで導入を進めましょう。

>注意点2:システムとの連携の手間がかかる

ロジスティクスサービスを導入する際は、既存の在庫管理・受発注システムとの連携が必要です。特に異なるシステム間でデータをやり取りする場合、APIやEDIの活用が必須であり、開発やカスタマイズに時間とコストがかかることがあります。

また、既存データの移行やシステム設定にも手間がかかるため、導入前にスムーズな連携方法を検討しましょう。導入後のトラブルを防ぐためにも、システムの適合性を事前に確認し、連携の課題を洗い出すことが欠かせません。

>注意点3:現場に浸透するまでに時間がかかる

ロジスティクスサービス導入に際して、既存の物流プロセスを見直し、新しいシステムや手順を取り入れる必要があります。しかし、これまでの業務フローに慣れた現場では、新たな仕組みに適応するまでに時間を要するケースも少なくありません。

システム連携後もスムーズに運用するためには、従業員への研修が不可欠です。特に、管理者と現場スタッフの双方が新しいプロセスを正しく理解し、実務で活用できるようにすることが重要です。

さらに、従業員全体の意識改革を促し、新たな業務フローを定着させるには一定の時間を要します。導入後のサポート体制を整えながら、段階的に導入することが成功の鍵となるでしょう。


5. ロジスティクスサービスの事例:ハコベル運送手配

ここまで説明した通り、ロジスティクスサービスには多くのメリットがあります。本章では、物流代行の“顧客への配送”の一例として「ハコベル運送手配」を取り上げ、特徴や具体的な内容を説明します。

「ハコベル運送手配」とは

「ハコベル運送手配」はハコベル株式会社によって提供されるサービスの名称です。ハコベル株式会社は①ネットで簡単注文 ②安心・高品質な業界最安の配送の提供を掲げています。

※参考:ハコベル株式会社,ハコベル運送手配


「ハコベル運送手配」の特徴

「ハコベル運送手配」ではスポット/緊急/定期などの配送依頼を簡単にWebで行うことができ、即時見積もりも可能です。また、厳格な登録審査で優良ドライバーを選定しており高品質な配送が期待できます。


具体的なケース

「ハコベル運送手配」を利用した具体的なケースを見てみましょう。

ある小規模事業者が顧客の人生のイベントにお祝いのお菓子を届けるケースです。この場合、特定の日時に間違いなく商品を届ける必要があり、配送時に商品のケアも求めたいところです。従って、“顧客への配送”がビジネスの成功のカギとなります。

そこで「ハコベル運送手配」を活用すれば、以下のメリットが得られます。


1.Webのフォーマットで簡単に依頼・案件管理できるので配車管理の工数を削減できる

2.プロのドライバーに委託でき、高品質な配送を期待できる

3.顧客満足度が上がれば売上も増加し、収益を改善できる

4.依頼者は販促活動などのコア業務に集中できる


このように、自社の業務や商品の特性を考慮して適切なロジスティクスサービスを活用できれば大きなメリットを得られる可能性があります。


6. 「ハコベル 運送手配」の導入事例

最後に、ロジスティクスサービス「ハコベル 運送手配」の導入事例を紹介します。

アップル引越センター様

株式会社アップルのアップル引越センターでは、家財や荷物の配送を外部の宅配業者に委託していましたが、年々配送コストが増加し利益を圧迫していました。また、ルート組みを社内の配車担当者が手作業で行っていたため業務負荷が増大し、かつ精度の向上も求められていました。配送ルートが適切でない場合、延長料金が発生するリスクもあり、コストを抑えるための工夫が必要だったためです。さらに、既存の宅配業者では指定時間通りに荷物が届かず、顧客クレームが発生することもありました。

導入後の変化

「ハコベル 運送手配」の導入により得られた成果は、コスト削減と業務効率化です。1個あたりの配送コストが400~500円削減され、月間で約70万円・年間で1,000万円のコスト削減が見込めるようになりました。加えて、配送ルートの作成をハコベルが担当することで社内の配車担当者の業務負担が軽減され、1日2時間、月60時間の業務削減を達成しています。

また、ドライバーの対応が良くなったことでクレームはゼロになり、配送の時間指定が正確になったことで顧客満足度も向上しました。アップル引越センターにとって、ハコベルの導入は、コスト削減だけでなく業務の効率化とサービス品質向上につながる結果となっています。

※参考:ハコベル株式会社,『コスト削減額が年間1000万円弱の見込みに!「宅配コスト削減」と「業務の効率化」2つの課題を同時に解決! 』アップル引越センター様

株式会社東天紅様

株式会社東天紅は、長年委託していた配送業者との契約がコロナ禍で終了し、新たな配送業者の選定が必要となりました。しかし、既存の業務をそのまま委託するとコストが高くなるため、適切な業者選びが難航していました。

導入後の変化

「ハコベル 運送手配」を導入することで、配送頻度や荷物の種類を見直し、最適な配送ルートを確立することができました。これにより週3回の配送を週2回に短縮し、作業時間を削減することに成功します。また、必要な配送に絞ることで人件費と物流費のトータルコストも削減できました。

さらに、ハコベルのドライバーを専属化することで毎回の業務説明が不要になり、業務がスムーズに進行しています。顔なじみのドライバーが担当することで店舗とのコミュニケーションが円滑になり、配送業務の安定化につながりました。

※参考:ハコベル株式会社,配送事業者の変更にあたって必要業務の見直しを実行。常態化していたむだを整理したら「業務効率化と大幅コスト減」が実現! 株式会社東天紅

榮太樓総本舗様

榮太樓商事株式会社の榮太樓総本舗では、繁忙期のスポット配送に高額なコストがかかることが課題でした。また、朝8時までの早朝配送や賞味期限の短い商品の配送において、既存の宅配サービスでは対応が難しいため、配送の柔軟性向上が急務になっていました。さらに問題視されていたのが、混載配送での箱の潰れや包装の乱れによる品質リスクです。

導入後の変化

「ハコベル 運送手配」の導入により、距離と荷量で明確な料金設定がなされ、コストが半分以下に削減されました。さらに、軽トラックから大型車両まで、荷量に応じて柔軟な車両選択が可能になりました。

担当者は発注画面の直感的な操作で金額比較が容易になり、スムーズな手配が実現できています。また、配送途中の破損リスクがなくなり、商品破損のクレームゼロを維持できるようになりました。これまで社員がレンタカーを借りて対応していた配送業務も、ハコベルに委託することで業務負担が軽減されています。

※参考:ハコベル株式会社,カーゴから大型トラックまで、スポット配送は荷量にあわせた車両が選べる「ハコベル」に全部おまかせ!

有限会社ユニバーサル・エクスプレス様

有限会社ユニバーサル・エクスプレスでは、年間約100台が空車で帰る状況が続き、非効率な運行が課題となっていました。従来の「帰り荷が決まらなくても出発する」という文化が根付いており、無駄な運行が発生していたのです。

さらに、電話やFAXによる受注が主流で業務の進行に時間がかかるうえ、配車業務の負担が大きく情報共有の手間が増えていました。また、物流業界全体のドライバー不足が深刻化しており、安定した運行の維持が今後の課題とされていました。

導入後の変化

「ハコベル 運送手配」の導入により、空車で帰る台数を年間100台から48台に削減でき、ドライバーへの指示書作成が簡単になったことで業務負担も軽減されました。また、従来3~4日かかっていた請求書作成も、システム上で即時処理できるようになっています。ハコベルのシステムを活用することで、配車・請求の業務負担を軽減し、物流の最適化を実現しました。

※参考:ハコベル株式会社,「帰り荷の空車率」がハコベル利用で50%削減へ!業務効率化を促進し「2024年問題」の本格懸念に対応できる事業環境を構築 有限会社ユニバーサル・エクスプレス



7.まとめ

本記事ではロジスティクスサービスの概要及びメリットをまとめ、小規模事業者の事例でロジスティクスサービスを活用するメリットを具体的に説明しました。現在では多様なロジスティクスサービスが展開されており、荷主にとっては活用のチャンスが広がっています。

荷主もロジスティクスサービスをしっかり理解し、自社の事業に適した活用方法を検討しましょう。



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